僕は目で音を聴く(39)デフリンピックも知ってほしい

 東京五輪・パラリンピックが来年に迫ってきましたが、聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」があることは、ほとんど知られていません。1924年に始まっていて、60年のパラリンピックより歴史が古いのに…。テレビやニュースでもあまり耳にしません。

 福岡県小郡市で2年前、デフリンピックのバレーボールの選手で日本チームとして金メダルを取った経験がある女性の講演会があり、聞きに行きました。

 話によると、聴覚障害者は身体能力が聴者と変わらない、との理由でパラリンピックには出場できないとのこと。たまに聞こえない人がオリンピックに出ますが、少数派のようです。

 デフリンピックに出場できるのは、全く聞こえないことが条件。補聴器も認められていません。競技の一つであるカーリングで、日本チームは順調に決勝に進んだものの、うっかり選手の一人が補聴器をしたまま試合に出てしまい、失格になった苦い経験もあるそうです。

 あらためて見どころを彼女に聞いたところ、バレーボールの場合、聞こえないのに聴者のバレーと変わらぬ迫力あるプレーが繰り広げられることです。笛が聞こえないので、審判がプレーを止めるときはネットを揺らして選手に伝えたり、監督がランプを使ってタイムを知らせたり、特有の手段はありますが、ルールはオリンピックと同じ。全く聞こえないのにどうやって選手同士がサインを出し合っているのか、考えながら観戦するとより楽しめるでしょう。

 ただデフリンピックを認知していない会社も多く、出場のため3週間の長期休暇が認められず、有能な選手が出られないこともあるそう。スポンサーも全くつかないので、貯金を崩したり、カンパをお願いしたりと大変です。

 パラリンピックの一つとしてろう者の競技を位置付ければ、少しずつ認知や競技の面白さも伝わるのに…と歯がゆい思いです。聴覚障害のあるスポーツ選手が幅広く活躍できるチャンスも、ぜひ広がってほしいものです。

(サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)

 ◆プロフィール 本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a/=でも公開中。

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