「恋をする全ての人に贈る」 元「サーカス」の夫婦デュオ2VOICEが新アルバム クリスマス名曲をカバー

 4人組コーラスグループ「サーカス」のメンバーだった原順子(62)と叶央介(かのう・おうすけ)(62)=北九州市出身=の夫婦によるポップスデュオ「2VOICE」が新譜をリリースした。クリスマスソングの名曲カバーでつづる「Winter Love Song」。ジャケットには、真っ赤なドレスに身を包んだ順子とタキシード姿の央介が見つめ合い寄り添う写真。二人は「恋をする全ての人に贈る一枚」とアピールする。

 サーカスは1978年、「Mr.サマータイム」でメジャーデビュー。叶正子をメインボーカルに、弟の高(たかし)と央介、いとこの卯月節子の親族4人が初期メンバーとなった。84年、卯月が結婚、シンガー・ソングライター志向の強い央介はソロ転向を理由に脱退し、卯月の後任に順子が加入。央介は後任の男性シンガーに代わって88年に復帰することになり、順子と出会う。

 91年、二人は「社内恋愛の末」(順子)に結婚し、2002年に彼女をメインボーカルとするデュオ「J&0」を結成した。しばらくグループにも籍を残し活動していたが、13年に夫婦で脱退。グループは高の娘ありさ、ソロシンガー吉村勇一が加入して再結成、今年は40周年を迎えた。

 J&Oは16年、二人がともに還暦を迎えたのに合わせ、2VOICEにユニット名を変えて再出発した。ファーストアルバム「120歳のLove Song」には二人の方向性が凝縮されている。

 全10曲中7曲は順子が作曲を手掛け、うち5曲は央介の作詞。オリジナル志向の強い内容に仕上げた。「常に『サーカス』という大きな母体に寄り添ってきた僕たちの音楽。せっかくなら二人で一から音楽を作ろうと思って」と央介。二人三脚による「YOU〜120歳のラブソング〜」は、今春公開の映画「おみおくり」(伊藤秀裕監督、高島礼子主演)の主題歌に採用され、反響を呼んだ。

 残る3曲のうち2曲は、サーカスの代表曲「Mr.サマータイム」「アメリカン・フィーリング」のカバー。「Mr.サマー〜」はジャズのテイストあふれるアレンジで歌い、原曲の仏歌謡「愛の歴史」(ミシェル・フュガン作曲)にちなみ、仏語原詞も織り込む。

 そして残るはクリスマスソングの名曲「Have Yourself A Merry Little Christmas」。この曲が今回の2枚目アルバム制作の導線となる。

 10月末発表した新譜は全12曲。「Have Yourself〜」をはじめ、ジャクソン5の「Give Love On Christmas Day」、アニメ「スノーマン」の主題歌「Walking In The Air」、スティービー・ワンダーの「Someday At Christmas」…と数々のスタンダードを歌い、間にオリジナル曲「First Christmas」(日本語版と英語版)も忍ばせる。

 ロックやジャズ、R&Bなど多彩な音楽を吸収した順子の力強く、つややかな女声が、高音域もカバーする央介の繊細な男声と調和。楽曲アレンジはスタイリッシュで「大人の音楽」の雰囲気も漂うが、聞き取りやすい英語詞に絡む歌声は幅広い世代の耳に心地よく染み入りそう。オリジナルを違和感なく聴かせるところも、二人の熟練した技を物語る。

 順子は「年齢を重ねるたび、温かい音楽を二人で届けたくなって。幸せな歌詞が多いクリスマスソングはぴったり。心を込めて奏でる音楽を届けます」と笑顔。央介も「還暦になっても人を恋しく思う気持ちは変わらないし、失いたくない。こんな思いを多くの人と分かち合えれば」と目を細め、手応えを語る。

 四声から二声になり、夫婦の歌声が調和して「2VOICE」。二人のラブソングは若々しく響き続ける。(敬称略)

サーカス、2VOICEは九州がルーツ!?

 ともに約30年にわたって「サーカス」のメンバーとして活動してきた「2VOICE」の原順子と叶央介。新譜キャンペーンで西日本新聞社を訪れた二人に聞くと、意外な事実が分かった。サーカスのルーツも2VOICEの原点も、同じ九州。そのワケとは―。

 サーカス初期メンバーとなった姉弟3人(叶正子、高、央介)の父・叶公(ひろし)さん=故人=は福岡市出身で、母・珠子(たまこ)さん=故人=は熊本市出身。央介によると、大手紙記者だった公さんは熊本支社勤務時代、熊本県警の電話交換手だった珠子さんと恋に落ち、恋愛結婚。熊本在住時に長女正子を授かり、北九州に転勤後、高と央介が生まれた。もう一人の初期メンバー卯月節子の母親は珠子さんの姉で、ルーツは同じ熊本という。

 順子は東京・深川で生まれ育った。生粋の江戸っ子だが、1991年に央介と結婚し、新婚旅行で訪れたのが央介の出生地・北九州市門司区。「わずか2日間のハネムーン。時間は短くても思い出が刻めるだろうと決めた。お義父さんが教えてくれた駅前の中華料理店、とてもおいしかった」と順子。央介も「僕が通った幼稚園も残っていたし。駆け足だったけど楽しかったね」。二人の原風景になっているといえそうだ。(敬称略)
 

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