「患者名人」になる5カ条 連載「町医者だより」著者・長尾哲彦さん

「患者と医療者は同じ船に乗って荒波をこぎ進む間柄。つまりは運命共同体」と話す長尾医師 拡大

「患者と医療者は同じ船に乗って荒波をこぎ進む間柄。つまりは運命共同体」と話す長尾医師

 昨年9月に「『患者名人』になりましょう」との呼びかけで始まった連載「町医者だより ぼやき 腹立ち 大笑い」が10月25日付の50回で終了した。医師の思いなどを分かりやすい文章でつづり、私たちが医療を上手に活用するにはどうしたらいいのかを教えてくれた。著者で「特定医療法人原土井病院・みどりのクリニック」(福岡市東区)院長の長尾哲彦医師に、連載のまとめとして「患者名人になるための5カ条」を語ってもらった。

 【1】受診前に症状「予習」

 予習とは「問題の症状がいつから起きたか」などを医師にすぐに説明できるよう、自分なりに確認しておくことです。例えば「頭が痛い」という症状が半年前からだったら、想定される病気は脳腫瘍などで、緊急治療の必要性は少ないと考えられます。これに対して2、3日前から痛い場合は、緊急治療が必要であるくも膜下出血なども考えられるため、こちらとしては対応の仕方が違ってくるのです。

 「症状がいつから起きたか」は簡単な質問なので、予習など必要ないと思われるかもしれません。ところが、実際に医師から尋ねられると即答できない患者さんは結構多いのです。答えるまで時間がかかると貴重な診療時間を無駄にすることにもなります。

 【2】医師の質問よく聞く

 病気でつらいときに、そのつらさをとにかく伝えたいのが患者さんの心情なのは理解できます。ただ、ある程度話したら、医師に質問をさせてください。医師の質問は世間話ではなく、全てが診断に直結する質問です。聞きたいことはたくさんあります。質問に的確に答えてくれれば、確実な診断にスムーズにたどり着くことができます。

 【3】お薬手帳と病歴提示

 通常、お薬手帳は薬局で提供されるので活用してください。病気の履歴書は、時間があるときに自分で作成してみましょう。これまでの人生で、いつ、どんな病気を患ったのか、手術はしたかなどを、大まかで結構ですから用紙に書き留めておきましょう。サプリメント類を飲んでいる場合は、その情報も添えてください。

 【4】質問は事前にメモを

 医者を前にして「聞きたいことはあったんだけど、何だったかな?」と首をひねったり、焦ったりした経験がある人は多いのではないでしょうか。思い出してもらうまでの時間が十分に取れればいいのですが、次の患者さんがたくさんいる場合は難しいこともあります。そして何よりも、その「聞きたいこと」が診療に役立つこともあるのです。

 【5】脱ぎやすい服で受診

 胸に聴診器を当てたり、腕から採血したり、ひざの観察をしたりするので、「Tシャツにジャージー」という感じの服装が理想です。下着も取ってもらった方がいい場合もありますのでご理解ください。

=2013/11/01付 西日本新聞朝刊=

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