9条改憲、首相案支持40% 安倍政権下、反対54% 世論調査

 共同通信社は10日、憲法記念日の5月3日を前に郵送方式で実施した憲法に関する世論調査の結果をまとめた。9条改正について、戦力不保持と交戦権否認を定めた2項を維持したまま自衛隊を明記する安倍晋三首相案を支持したのは40%にとどまった。安倍政権下での改憲には反対54%、賛成42%だった。国民の理解が深まっているとは言えない現状が明らかになった。

 9条改正自体の賛否を聞いた設問は「必要はない」47%、「必要がある」45%と回答が二分。必要と答えた人に理由を聞いたところ、首相が主張する「自衛隊は憲法違反との指摘があるから」を選んだ人は26%に限られた。「北朝鮮の核・ミサイルや中国の軍備拡張など日本を取り巻く安全保障環境の変化」が最も多く56%に上った。

 自民党は昨年3月に(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項の新設(3)参院選「合区」解消(4)教育無償化・充実強化-の改憲4項目をまとめた。

 改憲に反対の人を含め、首相の9条改正案について尋ねると、首相案支持(40%)のほか「2項を削除し自衛隊の目的、性格を明確にする」29%、「自衛隊を明記する必要はない」27%と回答が割れた。

 大規模災害時の緊急事態条項に関し、内閣の権限を強めて個人の権利を制限できる条文の新設に反対としたのは53%、賛成44%。国政選挙が実施できない場合の議員任期延長には反対63%、賛成34%だった。

 改憲により合区を解消するとの答えは33%止まり。法改正による選挙制度の抜本改正が45%、現行制度維持が15%だった。教育無償化を巡っては、憲法への明記を支持したのが30%、法律で対応できるので改憲は不要としたのは68%だった。

 首相による衆院解散権の制約を憲法に書き込むことへの賛成は51%に上り、必要ないとの回答45%を上回った。

 項目にかかわらず改憲を「必要」「どちらかといえば必要」と容認した人は63%。「必要ない」「どちらかといえば必要ない」は36%だった。

 調査は2~3月に18歳以上の男女3千人を対象に実施した。

 【注】小数点1位を四捨五入した。

 ▽調査の方法=層化2段無作為抽出法により、約1億人の有権者の縮図となるように全国250地点から18歳以上の男女3千人を調査対象者に選び、郵送法で実施した。2月6日に調査票を発送し、3月14日までに届いた返送総数は2032。記入不備や、対象者以外の人が代理回答したと明記されたものなどを除いた有効回答は1930。回収率は64・3%で、回答者の内訳は男性50・4%、女性49・6%。

 東日本大震災の被災地の3県について、一部地域を調査対象から除いた。

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