「加熱派⼥⼦」が⽀えるグッズ市場

木村 貴之

 受動喫煙対策の議論が進む中、⽕を使わない加熱式たばこの⼈気に乗り、関連グッズの売り上げも好調らしい。福岡市・天神の雑貨店、「雑貨館インキューブ天神店」と「天神ロフト」に最近登場したコーナーはともに「なかなかの好評」(両店)とか。しかし売り場を訪れて驚いた。「⽗の⽇」(6⽉18⽇)の商戦絡みなのに、何となく⼥性層を狙ったような品ぞろえなのだ。

 ロフトは1階喫煙具売り場近くに「IQOS(アイコス)アクセサリー」のコーナーを設けた。アイコスと⾔えば⽶フィリップモリス社の加熱式たばこ。専⽤たばこを挿⼊するホルダーと、その収納を兼ねた充電器がセットになっている。コーナーには充電器を丸ごと収めるケースが何種類も並ぶが、⾚やピンク、リボン柄、猫のイラスト⼊り…といった「かわいい系」が⽬⽴つ。

 さらに⽬を引くのは充電器本体に貼るシール。⾹⽔ボトルやヒョウ柄、⿓などの和柄などが豊富にそろい、広報の岩崎弥⽣さんは「スマホと同じ感覚でアイコスをデコる⼥⼦、増えています」。

 インキューブもアイコス関連グッズを展開。4階ステーショナリー雑貨売り場の⼀⾓にシリコンや合⽪、プラスチック製の各種ケースがそろうが、際⽴つのはやはり⼥性好みのデザイン。グッズが「⽗の⽇」コーナーの⽬⽟であるにもかかわらず、だ。

 両店とも、⼥性客から要望が相次いだのを受け、昨秋からコーナー開設を準備したという。アイコスの市場を⼥性がどれだけ⽀えているのか。福岡市・⼤名の「IQOSストア福岡」に聞くと、ストアマネージャー深掘隆志さんからこんな答えが返ってきた。

 「ユーザーの⼤半は男性ですが、⼥性ファンもしっかり。⽕を使わないので、臭いの元になるタールが発⽣せず、⻭がヤニで汚れる⼼配もない点で歓迎されています」

 ⽇本たばこ産業(JT)の加熱式たばこ「プルーム・テック」も忘れてはいけない。福岡はJTがプルーム・テックを全国で唯⼀販売している地域で、いわば加熱式の激戦区。JT九州⽀社(福岡市)によると、同市博多区の複合商業施設「キャナルシティ博多」に開設した国内初の専⾨店で関連グッズも販売。たばこ葉を燃焼させずに加熱するボールペン⼤の本体や、たばこカプセルを収納するケース、デコレートシールなどをそろえ、⼥性の⼈気を集めているという。

 

 私は紙巻き派の喫煙者。受動喫煙対策強化の論議に触れるたび「ますます肩⾝が狭くなるばかり」と嘆きたくなるが、加熱式の市場に⽬を向けると、何となく勝⼿が違うようだ。議論では加熱式を巡る対応も争点。⼥性たちが楽しそうに市場を盛り上げ、議論でも柔軟な視点で意⾒を寄せ合ってくれるのではないか。雑貨店の棚に並ぶカラフルなグッズを眺めると、そんな予感がする。

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