貿易交渉で日韓応酬

共同通信

 韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄し、日韓の溝は一層深まった。両国が参加する貿易交渉で韓国側が議論を仕掛ける場面もあるが、日韓以外の国は介入する姿勢は見せていない。

 8月上旬に開かれた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合では、韓国側が日本の半導体素材の輸出管理を批判した。会議に参加した世耕弘成経済産業相は「韓国側が交渉の議題とは関係ない発言をしたので、やむを得ず反論した」と話す。日本の輸出管理に関する発言は、韓国以外からは出なかったという。

 東南アジア諸国や日本、韓国など16カ国が参加するRCEPの8月の交渉は、中国が共同議長を務めた。閣僚会合の冒頭で講演した胡春華副首相も、日韓の対立に干渉する動きは見せなかった。

 胡副首相によると、交渉の協定部分は8割以上が合意に達しているという。残る対立点は各国の利害が複雑に絡んだり、保護したい産業と密接に結び付いたりしているだけに、そう簡単に歩み寄れるわけではない。特に知的財産権、投資ルール、国際的なデータ流通などは、参加国の間でまだ開きがあるようだ。

 胡副首相は閣僚会合で「国家の安全に関わる機微な問題は互いに配慮し、弾力性のある解決策を探してほしい」と呼び掛け、RCEPの交渉妥結に向けた協力を参加国全体に求めた。

 日韓の輸出管理は、RCEPのような多国間の貿易交渉とは本来、関係がない問題だ。貿易管理上の優遇国の指定は、それぞれの国の判断に委ねられている。

 韓国側は国際世論に訴えるため、自分たちの立場をさまざまな会合で訴えている。世耕経産相は27日の記者会見で「粛々と貿易管理制度の運用に取り組んでいく」と話し、これまでの方針を変えない姿勢をあらためて示した。RCEP以外の国際会議でも、日韓のやりとりが続く可能性がある。

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