『西日本人物誌 野村望東尼』 小河扶希子 著 (1575円)
福岡が生んだ文学者、野村望東尼(一八〇六-六七)。幕末という激動の時代を生きたがゆえに「女流勤皇家」などと形容されることが多い望東尼だが、著者はそのことに異議を唱える。近年発見された望東尼自筆の書簡集は、明治政府に都合の良いように編さんされていたことも判明。それらの資料や、望東尼自身が遺(のこ)した和歌や紀行文などをもとに、実像に迫る。
望東尼の半生を描いた舞台劇「おもしろきこともなき世…おもしろく 望東尼」(福岡文化連盟など主催)が15日に福岡市博多区の博多座で公開される。予習、復習用にも一読を。
《四六判・1575円》
=2013/12/01付 西日本新聞朝刊=