救急車サイレン昔より聞こえない? 窓閉め音楽、スピーカー位置変更

友好紙

 「救急車のサイレンが昔よりも聞き取りづらくなった」。中日新聞東海本社(浜松市)の「Your Scoop みんなの『?』取材班」(ユースク取材班)に声が寄せられた。日本ではおなじみのピーポー音だが、調べてみると音量には基準があり、半世紀以上、変わっていないという。運転中などに聞き取りづらくなった、というのはただの気のせいではなく、実は変わっていないからこそ、聞こえ方が変わっていた。

 「サイレンの音量の基準見直しが必要だ」。こう訴える昨年の論文を救急医療の学会誌で見つけた。執筆したのは、島根県内の消防本部で救急救命士として働いた経験がある広島国際大保健医療学部の安田康晴教授。「昔と今では、自動車の事情が違うのではないか」。そんな素朴な疑問が出発点だったという。

 救急車など緊急自動車に付けるサイレンの音量は、1951年に定められた「保安基準」に基づく。救急車の20メートル前方の屋外で測定して「90~120デシベル」だが、戦後間もない頃と比べ、現在は車の性能も社会環境も大きく異なる。

 取材班の50代のデスクは「若い頃、暑かったら窓を全開にしていた」と話す。ガソリン代を節約したかったそうだが、28歳の私には、ちょっと理解できない。今の車は燃費もいいし、運転中はオーディオで音楽を聴くことも多い。

 実際、安田さんたちが街角で調査したところ、窓を開けて走る車は、気温に関係なく5%前後だったという。そこで安田さんたちは窓を閉めた状態で、運転席の耳元で聞こえる音量を測った。▽走行中の空調やタイヤの摩擦などの雑音(43・8デシベル)▽オーディオの音(54・6デシベル)▽同乗者らとの会話(68・4デシベル)。20メートル前方のサイレンの音量は46・4デシベルで、雑音より大きいが、音楽を聴いたり、会話したりしていると聞き取りづらい。

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