旧見番で伝統文化を継承

共同通信

 東京・芝浦花柳界の見番として1936年に造られた建物が、伝統文化に関わる公演、講座、展示などを行う「港区立伝統文化交流館」に生まれ変わり、4月1日に開館する。東京都内に残る唯一の木造見番建築としての価値も高い。

 見番は置き屋、料亭、待合からなる「三業」を取りまとめ、芸者の取り次ぎや遊興費の精算をする施設。芝浦の花柳界は明治以降に発展し、初期は海岸沿いで栄えた。東京湾の埋め立てが進むのに伴って現在の芝浦1丁目付近に移転し、見番もそこに建てられた。

 見番の施主は、当時の三業組合長で、目黒雅叙園(現・ホテル雅叙園東京)の創業者でもある細川力蔵。豪華な建築が「昭和の竜宮城」と称された雅叙園と同様、酒井久五郎が棟梁として腕を振るった。重厚な外観と繊細な内部の意匠がともに美しい。

 見番は戦後、港湾労働者の宿舎「協働会館」となり、2000年まで使われた。老朽化のため取り壊されることになっていたが、保存活用を願う運動が起こり、文化財としての価値にも配慮して存続が決まった。「地元の声が実りました」と港区芝浦港南地区総合支所の遠井基樹管理課長。

 かつて芸者のおさらい会に使われた百畳敷きの大広間は、落語の公演などを行うほか、貸室としても利用可能。展示室で建物と地域の歴史を振り返る資料を見せ、喫茶室ではランチも提供する。

 入場無料。年末年始は休館。

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