「手当て」で癒やし 福岡からアジアへ セラピューティック・ケア協会 現地で講習

 NPO法人「日本セラピューティック・ケア協会」(福岡県太宰府市)が、お年寄りなどを癒やすために用いている「セラピューティック・ケア」という心身のケア法が、国内だけでなくアジアにも広がっている。アジアも高齢化が進んでいることが背景にあるとみられ、韓国セラピューティック・ケア協会が4年前に発足して活動。今年11月には日本協会のメンバーが台湾側から求められて現地を訪ね、大学で普及活動に取り組んだ。

 セラピューティック・ケアは英国赤十字社が1996年に開発した。「手で触れる」を基本とするシンプルな技術で相手の肩、腕、手などを20分ほど、ゆったりしたリズムでなでるもので、まさに「手当て」。

 日本セラピューティック・ケア協会の秋吉美千代理事長(75)が99年に英国に渡って学び、協会の前身の団体を2002年に設立した。現在は福岡県の病院、老人施設などで患者やお年寄りにケアを提供する奉仕活動、講習会や通信教育による普及活動に力を入れている。合言葉は「手のぬくもりは心のぬくもり」。会員は北海道から沖縄まで500人以上いる。

 韓国での普及は、釜山市で福祉事業を展開し、福岡の大学の教授でもある韓国人の朴峰寛さん(54)が関心を持ったのがきっかけ。秋吉さんに依頼し、これを受けて09年に協会メンバーが釜山を訪問し、現地の人たちを対象に講習会を開いた。

 また、朴さんの妻である柳今淑さんも興味を持ち、福岡で秋吉さんの指導を受けて講師の資格を取得。09年に韓国セラピューティック・ケア協会を設立し、釜山の高齢者施設などでお年寄りたちにケアを提供するボランティア活動をしている。

 朴さんは、交流がある台湾人の学者にもこのケアを紹介。秋吉さんら協会メンバー4人が、その学者の要請を受けて11月6~9日に台湾を訪れ、現地の弘光科技大で教官や学生などを対象に講習会を開いた。

 台湾では高齢者通所施設にも出向き、利用者にケアを提供して喜ばれたという。秋吉さんは「弘光科技大の教官が来年夏に福岡を訪れてセラピューティック・ケアを本格的に学び、戻った後に大学で介護支援技術のカリキュラムに取り入れるつもりのようです」と手応えを感じた様子だった。今後については「タイも高齢化が急速に進んでいると聞くので、普及活動をしたい」と意気込む。

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 セラピューティック・ケアの1日基礎講座が来年1月11日に福岡市早良区西新6丁目の西南学院大学東キャンパス内の西南コミュニティーセンター、同25日に福岡県太宰府市白川の同市総合福祉センターで開かれる。いずれも午前9時半~午後4時半で、受講料は教材費込み5千円。申し込みは日本セラピューティック・ケア協会=092(928)1546。


=2013/12/20付 西日本新聞朝刊=

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