同性愛、性同一性障害……当事者にアンケート 「学校でつらい思い」54% 相談できず孤立感 「教育現場で支援を」

 ■新訳男女 語り合おう■ 
 同性愛や両性愛、性同一性障害など多様な性の人たちが、どんな学校生活を送っているのか-その実情を探る当事者アンケートが1月、九州・沖縄在住者を対象に初めて実施された。その結果、半数以上が自分の性(セクシュアリティー)によってつらい思いを味わい、6割は相談相手がいなかったと回答。教育現場における支援の重要性が浮かび上がった。 (新西ましほ)

 アンケートは、福岡市を拠点に当事者への情報発信に取り組む民間団体「Rainbow Soup」が1月8~28日にインターネットを通じて実施。10代14人▽20代51人▽30代39人▽40代18人▽50代以上4人-の計126人が回答した。

 「自分のセクシュアリティーを自覚した時期」については、小学校より前は17人、小学校36人、中学校30人で、全体の66%が義務教育期間までに自覚していた。

 「セクシュアリティーによって学校生活でつらい思いをしたことがあるか」の問いには、54%にあたる68人が「ある」と回答。「服装や言動でおかま、ホモ、レズとからかわれた」「男らしく、女らしくと強要された」を挙げる人が多く、いじめや不登校につながったという人もいた。「教員が授業で同性愛を気持ち悪いと言い、笑いのネタにした」「男女別の制服やトイレが苦痛」「恋愛話ができない」などの声も寄せられた。「ない」は36人、「分からない」は21人だった。

 つらい思いをさせられた相手(複数回答)は、同級生57人、教職員26人、家族22人-の順。相談した相手(同)を尋ねたところ「誰にもできなかった」の42人が最も多く、続いて同級生の19人。教職員や家族に打ち明けた人は少なかった。

 学校生活に望むサポートについては、制服の選択の自由、多目的トイレの設置、相談しやすい環境の整備-など。多様な性への理解を深めるための授業、教職員研修の実施を求める意見もあった。

 自由記述欄には「20人に1人が当事者。特別なことではなく、普通にどこにでもいる存在だと知ってほしい」「一番の味方になってくれるはずの親や先生に否定されたら生きていくのもつらい」「理解してほしいとは言わない。受け入れて」などの意見が寄せられた。

 「Rainbow Soup」共同代表の小嵒(こいわ)ローマさん(40)は「人権問題なのだという認識がまだまだ低い。周りに当事者がいないのではなく、気付いていないだけ。教育関係者は身近な問題と捉え、アンケートに寄せられた意見をぜひ現場に生かしてほしい」と話している。

 アンケート結果は、ホームページで公表。14日に熊本市で開かれる「第14回九州ブロック性教育研究大会」でも発表する。

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 研究大会は14日午前9時半から、熊本市中央区手取本町のくまもと県民交流館パレアで開催。第1部はインターネットに起因する性被害・性加害などについての講演。午後1時40分からの第2部は「セクシュアルマイノリティーの子どもたちのために」がテーマで、米国の最新事情や教員意識調査に関する報告がある。

 資料代3千円(学生千円)で、第2部のみは無料。問い合わせ、申し込みは熊本県性教育研究会にメール(kumaseiken@ina.bbiq.jp)で。


=2014/02/08付 西日本新聞朝刊=

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