【人の縁の物語】<54>ママ友づくり “脱公園” ネット活用や交流会で

「ママ友100人ランチ会」で交流を深める母親たち。日常とは違う雰囲気を味わうことでリフレッシュ効果もある 拡大

「ママ友100人ランチ会」で交流を深める母親たち。日常とは違う雰囲気を味わうことでリフレッシュ効果もある

 情報交換をしたり、悩みを相談し合ったり。子育て中の母親たちにとって「ママ友」は心強い存在だ。その仲間づくりの場といえば公園が定番だったが、少子化やインターネットの普及によって変化している。会員制交流サイト(SNS)を活用する人が増え、企業も支援に乗り出した。

 1月末、福岡市南区のイタリア料理店に0~1歳の子と母親10組が集まった。実は全員が初対面。育児情報誌「リトル・ママ」がサイトで呼び掛けた「ランチオフ会」の企画だからだ。

 最初は緊張した様子だったが、子育ての話題をきっかけに打ち解け始めた。「離乳食が進まなくて」「トイレトレーニングっていつから始めたらいいの」。話題は尽きず、予定を30分過ぎてようやくお開きに。最後は電話番号やメールアドレスを交換し、再会を約束して別れた。

 乳幼児を育てる母親1843人を対象に、ベネッセ教育総合研究所が行ったアンケート(2011年)によると、3人に1人が「子ども同士を遊ばせながら立ち話をする程度の人が近所にいない」と回答。若い世代ほど、地域とのつながりが薄い傾向だという。

 この日、オフ会に参加した女性(26)は昨年、女児を出産したばかり。「子どもと2人で家に閉じこもっていると、ストレスでおかしくなりそうでした」。友人のほとんどが独身で、ママ友を求めて公園に行ってみたが「ほとんど人がいなかった」と振り返る。

 1990年代に流行した「公園デビュー」という言葉は、今や死語に近い。自治体が設置する子育て支援センターなど屋内型の施設が充実し、外遊びの機会が減少したからだ。その女性もセンターへ足を運んでみたが、「その場限りの付き合いで連絡先を交換するほど親しくなれなかった」。

 そこで利用したのが、ネットでママ友を募る掲示板だ。近所や同世代、同じ趣味…。共通点を掲げての募集だからか、すんなり仲良くなれた。5歳と3歳の母親(31)もSNS「ミクシィ」を利用。実際に会ったら同じマンションだったこともあるが「あいさつだけの関係から悩みを話せる相手に変わった」という。

 百貨店の博多大丸(福岡市)も顧客を対象とした会員制の「マミーカンガルークラブ」を立ち上げ、昨年からママ友づくりを目指したイベントを開いている。その名も「ママ友100人ランチ会」。過去2回は定員を超える応募があった。

 「子育てに追われておしゃれや食事を楽しむ余裕がない」といった会員の声をもとに企画した。結婚式場でコース料理を味わいながら、おしゃべりを楽しんでもらう。会場にはベビーグッズや幼児教育など10を超える企業ブースが並んだ。

 12月の会に参加した女性(28)は、一緒のテーブルだった女性と連絡先を交換した。「夫が転勤族で知人がいない中の子育ては不安だったから、うれしい」。博多大丸営業推進部の弓洋子さんは「参加者の4割が新規会員。お客さんに喜んでもらえるだけでなく、企業側にとってもPRの機会になる」と話している。


=2014/02/18付 西日本新聞朝刊=

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