【人の縁の物語】<55>成人式 本当の私で 多様な性の仲間が集合 福岡市

自分らしい装いでグループワークに取り組む参加者 拡大

自分らしい装いでグループワークに取り組む参加者

 ありのままのあなたに、おめでとう-。同性愛など多様な性の人たちのための「LGBT成人式」が2月下旬、福岡市で開かれた。参加者は年齢、セクシュアリティー(性の在り方)は不問。自分らしい装いで、それぞれの生き方を祝い合った。

 着物、浴衣、ネクタイとジーンズ、ミニスカート…。会場には、思い思いの格好をした約20人が集まった。

 LGBTは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの総称。自治体の成人式は、参加者の大半が振り袖やスーツ姿のため、服装が嫌で式に出なかったり、我慢して参加したりしたという当事者は少なくない。

 この日は、福岡で毎月開かれている多様な性の交流会「にじだまり」が、東京でLGBT成人式を主催する学生団体「Re:Bit」との合同企画として開催。今年で3回目となった。

 かなえさん(18)=仮名=は、初めて化粧をしてもらい、浴衣姿になった。男性の体に生まれ、幼いころから性別違和を感じてきた。成人は2年後だが、今春、高校を卒業して新たな門出を迎える。「ずっと孤独で苦しかった。この会で自分らしくいていいと言われて楽になった」と、とびきりの笑顔を見せた。

 ありのままの自分をもっと好きになろうという狙いでグループワークも実施された。自分では「嫌い」と思っていても、実は良いところかも-そんな面を参加者同士で見つけ合おうという企画だ。

 例えば「他人に心を開けない」と悩む武さん(21)には「その壁を乗り越えられた相手とは深くつながれる」。「心配しすぎて物事が進まない」という参加者には「慎重に行動できるのはいいことだよ」。見方を変えることで、マイナスもプラスになっていった。

 「にじだまり」はスタートから4年を迎えた。これまでにLGBT当事者や家族、友人ら200人近くが参加。昨年からは隔月で10代のための交流会「フレンズタイム」も開いている。スタッフの石崎杏理さん(29)は「居場所づくりを目指して交流会を続けてきた。自分を否定して生きるのは苦しい。今のままの自分でいいんだと、肯定的に感じてもらえるきっかけになれば」と話している。

 交流会の情報はFRENSのブログで確認できる。


=2014/03/04付 西日本新聞朝刊=

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