発達障害 漫画で理解を 親たちが啓発本 特性や対処法紹介

「関係者以外の人に読んでほしい」と語る福岡市自閉症協会の小柳浩一会長 拡大

「関係者以外の人に読んでほしい」と語る福岡市自閉症協会の小柳浩一会長

 4こま漫画を通して発達障害への理解を深めてもらおうと、親たちでつくる福岡市自閉症協会が手掛けた啓発本「あしたのポロネーズ」。その作画を担当したイラストレーターの「たち君の母」さん(50)は、自身も発達障害の子を育てており「人と比べてできないことを数えるより、できることが増えるのを楽しめる社会になってほしい」と願いを込めたという。

 歴史上の人物名には詳しいのに、担任やクラスメートの名前を覚えられなかったり、一方的に話し続けたり。息子のたち君(16)が発達障害の一つである高機能自閉症(知的な遅れを伴わない自閉症)と診断されたのは9歳の時だった。

 「当時の知識はゼロ。思い描いていた息子の未来が全部ゼロになったような気がした」。その後、同じ立場の親たちと交流したり、行政機関の支援を受けたりする中で「できないことの理由を正しく受け止め、一つずつ対処していけばいい。個性的な家族として夢を積み上げていこう」と思えるようになったという。

 イラストの技能を生かして協会の会報に漫画を描くようになり、ヤマト福祉財団からの助成もあって「当事者家族や周りの人も正しく理解してほしい」と出版することになった。

 本はA4判、50ページ。小学生のたち君とモモちゃんを主人公に、いつもと違うことがあるとパニックになる、集中しすぎて相手の気持ちに気付かない-など、それぞれの特性をユーモラスに漫画で紹介。隣のページに専門家のアドバイスを掲載し、対処法を分かりやすく伝えている。

 知り合いの発達障害児が演奏していたショパンの「軍隊ポロネーズ」からヒントを得たタイトルは、明るく自信を持って生きていってほしいとの思いから名付けた。福岡市自閉症協会の小柳浩一会長は「周囲の理解が欠かせない。当事者だけでなく、たくさんの人に手に取って読んでほしい」と呼び掛けている。

 警察や学校、公民館などに数千部を配布。福岡市立発達障がい支援センターなどで閲覧できる。有料での配布も検討中。同協会=092(844)7107(ファクスのみで対応)。


=2014/03/04付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ