食物アレルギー 入学に備えは 食材、発症形態 学校に伝えて 管理指導表提出を

新1年生の保護者向けに開かれた西花畑小の学校説明会。食物アレルギーへの関心は高かった 拡大

新1年生の保護者向けに開かれた西花畑小の学校説明会。食物アレルギーへの関心は高かった

 入学シーズンが近づいてきた。食物アレルギーのある子どもと親にとって、学校給食は大きな心配事。誤食事故を防ぐには、原因食材を口にしないよう徹底することに尽きる。原因食材を取り除いた給食を提供するなど学校側も対策に本腰を入れる中、保護者の協力も大きな盾になる。

 2月下旬、西花畑小学校(福岡市南区)の体育館。4月から新1年生になる子の保護者約150人を対象にした学校説明会で、給食の食物アレルギー相談コーナーに人だかりができた。

 「保育所の給食では油揚げを取り除いてくれた。小学校はどうですか」「(ショック時に使用する自己注射の)エピペンを学校で預かってくれますか」

 身を乗り出す親たちを前に栄養教諭が優しく語りかける。「情報がないと私たちも対応のしようがありません。入学前にぜひ面談させてください」

 福岡市の小学校給食ではアレルギー症状を引き起こす食材を外した「除去食」を提供しているが、森宏介校長は「誰が何を食べられないか。新入生が入り、教職員も入れ替わる年度初めに情報を共有しないといけない」と気を引き締める。

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 文部科学省が昨年8月、小中高約2万9千校に通う1015万人を対象に行った調査では、卵や牛乳などの食物アレルギーがある児童生徒は4・5%にあたる45万3962人に上った。22人に1人の割合だ。

 東京都調布市の小学校で2012年12月、乳製品にアレルギーがあった小学5年の女児が粉チーズ入りのチヂミを誤食してショック死。保護者の関心が高まった。何種類もの除去を求めるケースもあるが、成長に伴って食物アレルギーが治る場合もあり、成長期の栄養バランスが偏ることになりかねない。

 文科省のガイドラインは、医師の診断に基づき、食べられない食材や発症形態を詳細に記す「学校生活管理指導表」を保護者に提出させるよう求めている。福岡市教委健康教育課の田中浩美係長は「指導表が事故を未然に防ぐ基礎になる。毎年1度は受診して提出してほしい」と注文する。

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 とはいえ、文科省によると、食物アレルギーがある子の2割強しか指導表を提出していない。呼吸困難や意識低下などアナフィラキシーショックを起こす子でも4割弱にとどまる。

 全国で給食を提供する小中学校の約50分の1を抽出した文科省調査では、12年度に40件の誤食が起きていた。単純計算で2千件近い事故が起きていることになる。細心の注意を払ってもゼロにするのは難しい。

 学校給食でのアレルギー対応に関する文科省の有識者会議で座長を務めた福岡女学院看護大の西間三馨(さんけい)学長は「管理指導表の提出率が低いと学校側も的確な対応が取りにくい。食物アレルギーが重い子にエネルギーを集中するためにも、保護者は学校を支援してほしい」と指摘する。

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【ワードBOX】食物アレルギー

 卵、乳製品、小麦、甲殻類、そば、ピーナツなど特定の食べ物を食べたり、触れたりすると、免疫機能が過剰に反応して有害な症状が起きる。じんましんをはじめとする皮膚症状、下痢、呼吸困難などさまざまな症状が出る。血圧低下や意識障害など重篤な「アナフィラキシーショック」が起きた場合は、血圧を上げるホルモン「アドレナリン」の自己注射薬「エピペン」(商品名)を30分以内に打つことが求められる。


=2014/03/05付 西日本新聞朝刊=

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