【震災3年 もしもに備えて】<5完>子ども連れ 家族で事前に話し合い

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非常時に役立つ持ち出し品などを考える「親子ミニ防災教室」

 ■新訳男女■ 
 災害時、自分の命に替えてもわが子は守りたい。東日本大震災では、保育所や幼稚園にいた子どもと1日以上会えなかったり、子ども連れでたどり着いた避難所に居場所がなかったりしたケースもあった。わが子を守るため、親はどんな備えをしておけばいいだろう。

 ■月1回思い出す

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)から半径30キロ圏内の福岡県糸島市。30~40代の子育て中の母親たちが2011年10月、「ママのための防災会議INいとしま」を発足させた。

 メンバー10人は月1回集まり、防災を「楽しく」考える。3カ月に1回は一般参加者を募り、非常食ランチ作りや専門家の話を聞くイベントなども開催。2歳児の母親で代表の佐藤倫子さん(43)は「緊急時に慌てず行動するため、月1回、大震災の教訓などを思い出している」と話す。

 12年3月には冊子「糸島で暮らすママのための防災ハンドブック-子どもを守るためにできること」を作成した。自宅からの指定避難場所や避難経路に加え、子どもが通う保育所や幼稚園の避難場所の確認を呼び掛ける。子どもも食べられる非常食6種類の調理法なども紹介している。

 佐藤さんは、水害や原発事故など災害ごとの避難先を家族で話し合った。指定避難場所以外にも、夫の通勤路上で高台の飲食店、大分県の実家なども想定している。

 「緊急時には地域の人が頼りになるし、避難所でも助け合える」と佐藤さん。普段から子どもと一緒に近所を散歩して地域住民と顔見知りになるよう心掛けてもいる。

 ■ママバッグ活用

 福岡県内で親子ミニ防災教室を開くNPO「男女・子育て環境改善研究所」事務局長で防災士の冨山万里子さん(52)は「できる範囲の防災」を強調する。

 例えば、非常持ち出し袋。女性1人が持てる重さは約10キロ。子どもを抱えて逃げるなら荷物は5キロ程度で抑えたい。そんなとき、日常の外出に使う「ママバッグ」を活用できる。おむつやおしり拭き、おやつ、おもちゃ、保険証など必要最低限の育児グッズが入っているはず。これに懐中電灯やラジオなどを加えるだけで持ち出し袋に変わる。

 子ども目線の備えも大切になる。飲料水は、2リットルのペットボトルでは幼児が飲みづらい。500ミリリットル4本の方がポケットなどに入れて運びやすい。

 多用途に使える物も重宝する。おしり拭きは体全体も拭けて、大人も利用できる。大きめの日本手ぬぐいは包帯やおむつ、マスクと何通りにも使える。

 ■電話番号は紙に

 子どもが保育所、親は勤務先と、家族がばらばらの時はどうするか。あらかじめ迎えに行ける人のリストを作り、保育所に提出しておこう。家族が落ち合う場所も決めておきたい。

 家族の携帯電話、実家や親族の電話番号を暗記していない人も多いはず。携帯電話やスマートフォンの充電が切れた場合を想定し、紙に書き出しておこう。

 冨山さんは「子どもを優先しがちだけど、親が助からなければ子どもを守れない。自分の命をどう守るかも考えて」と呼び掛けている。 =おわり


=2014/03/15付 西日本新聞朝刊=

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