ベビーシッターの選び方 信頼性 五感で確認 「かかりつけ」「地縁」づくりを

子どもたちと遊ぶベビーシッターの川田理佐子さん。「かかりつけシッター」を提案する

 ■新訳男女 語り合おう■ 
 埼玉県で2歳児の遺体を遺棄したとしてベビーシッターが逮捕された事件は、子育て世代に大きな衝撃を与えた。仕事や病気、親の介護など、わが子を誰かに託さざるを得ない場面は誰にでもある。シッターを利用する場合は、どんなことに気を付ければよいのか。福岡県内の親たちに意見を聞いた。

 シッター業者、個人シッターとも公的資格や届け出制度はなく、保育の質はさまざま。公益社団法人全国保育サービス協会(東京)の自主基準を満たす加盟業者がより安心だが、中小業者や個人は料金が比較的安く、多様なニーズに応えてくれるメリットがある。

 福岡市の田中絵里緒さん(39)は「子どもを預けるのに、これまで何百万円使ったか分からない」と話す。0~10歳の6人を子育て中。2年前までは東京で働いていた。保育所に空きがなく、シッターを毎日頼んだ時期もある。大手業者を利用し、合わないシッターは担当から外してもらっていた。入会金と年会費で約2万3千円、1時間約2千円かかり、家計に大きな負担だった。

 自治体が設置する「ファミリー・サポート・センター」も使ってみた。預けたい人と預かりたい人が会員登録し、紹介してもらう。「自治体なので安心だし、1時間800円(渋谷区)と安かった」。ただ、預かる側が圧倒的に不足し、希望がかなわないことも。急な残業や子どもの病気の時は利用できなかった。「可能な限り身内やママ友に頼り、シッターは最後のとりでにしていました」

 保育士の資格を持つ田中さんは「親たちの負担を減らしたい」と、退職を機に個人シッターを始めた。口コミやホームページを見ての利用者が多く、必ず事前に面談している。

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 本紙筑後版に子育てコラムを執筆している久留米市の池田彩さん(37)、川田理佐子さん(44)にもシッター選びのポイントを考えてもらった。

 2人が挙げたのは、預ける相手と場所を自分の目で確認すること。「例えば、子どもの手が届くところにストーブがあるような部屋は不安。信頼できるか五感で見極めることが大切」と池田さん。疑問点に丁寧に答えてくれるか、食事や昼寝の時間、アレルギーの有無、緊急時の連絡手段などを把握しようとするかも、判断基準となりそうだ。

 シッター会社に所属する川田さんは「子どもは何をするか分からない。保険に入っているシッターが安心です」とアドバイス。緊急時に備えて「かかりつけシッター」を見つけておくことも提案する。シッターと一緒に過ごしてみて、適性を確かめておけば安心だ。乳児がいる池田さんは「日々の子育てで精いっぱいで、先を考える余裕はないというのが本音。でも、命に関わることだから事前準備は大切ですね」とうなずいた。

 また、忘れてはならないのが子どもの視点。北九州市のNPO法人「子どもと保育研究所ぷろほ」所長の山田真理子さん(62)は「見ず知らずの大人と過ごすことは、子どもにとって大きな不安。困ったときに頼れる地縁を紡ぐことが、親の責任でもあるのではないでしょうか」と警鐘を鳴らした。


=2014/03/29付 西日本新聞朝刊=

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