九博、「西夏文書」修復へ 今夏から、中国に専門家派遣

九州国立博物館が修復予定の西夏文字が書かれたお経。日本の国宝に相当するという(内蒙古博物院提供) 拡大

九州国立博物館が修復予定の西夏文字が書かれたお経。日本の国宝に相当するという(内蒙古博物院提供)

 九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)が、中国・内モンゴル自治区の内蒙古博物院が所蔵する「西夏文書」の保存修復を始める。西夏は11~13世紀の中国西北部で栄えた王国で、独特の西夏文字を考案した。正史が編さんされなかったため、西夏文字の文献は西夏の歴史や文化を知る貴重な史料とされる。九博は7月ごろに日本の専門家を派遣し、3年計画で国宝級の文書類を保存修復する。

 同博物院は遊牧民族の文化財を多く所蔵する。九博が修復するのは、同自治区カラホトで出土した12世紀ごろの文書類。日本の国宝に相当する「一級文物」のお経も含まれる。文書類は一部が破れたり、変色したりしているが、同博物院には継続的に保存修復する技術がないという。九博は修復技術も伝える考えだ。

 九博は2008年から4年間、同自治区で10世紀の木棺を修復。この縁で10年に同博物院と学術文化交流協定を結び、11年には九博で契丹をテーマにした特別展を開いた。一昨年、博物院側から西夏文書の修復依頼があり、文書類の繊維質などを分析、修復に適した紙などを準備してきた。同博物院の徐〓さんは「日本と修復の考え方や技術は異なるが、中国で生かせる方法を学びたい」と話す。

 九博の今津節生・博物館科学課長は「内モンゴルで実績を重ねることで中国の他の博物館との交流が生まれ、新たな特別展の開催につながるはずだ」と期待する。

※本文中の〓は「やまへん」に「争」

=2014/04/03付 西日本新聞朝刊=

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