延命治療選択の解説本 臨床心理士の藤井さん出版 「指示書」ひな型も

「延命治療について知っておきたいこと」を書いた藤井悟子さん 拡大

「延命治療について知っておきたいこと」を書いた藤井悟子さん

本に盛り込まれた事前指示書のひな型の一部

 福岡市早良区の臨床心理士で医療に詳しい藤井悟子(さとこ)さん(62)が著書「延命治療について知っておきたいこと-こころに添う最期」を出版した。延命治療の内容や、終末期の医療について自分の希望を記す「事前指示書」の書き方に関するアドバイス、そのまま記入して使える「ひな型」も盛り込んだ。藤井さんは「命の終え方は最後の生き方。最期をどう迎えるかを自身や家族が考えるときに、この本が役に立てば」と話している。

 藤井さんは、85歳だった母親の最期の医療をどうすればいいのか迷ったり、不安になったりした経験を踏まえ、2012年8月に冊子「やってくる死と自分らしさと 延命治療-いのちの終わり方を考える」を書き上げた。本紙記事などで無料提供を表明すると申し込みが相次ぎ、配布数は約800冊になった。

 その反響ぶりに、延命治療に対する人々の関心の高さをあらためて認識。冊子を読んだ人から「事前指示書のひな型があれば、なお良かった」といった声も寄せられたこともあり、より参考となる本を届けたいと、冊子に加筆して今回の著書を仕上げた。

 サイズは、冊子と同じA5判。14ページから47ページへ大幅に増やし、読みやすい文章に加えて理解を助けるイラストも添えている。

 3部構成。第1部「延命治療とは」は心臓マッサージや気管切開、胃ろうなどについて解説。第2部「事前指示書について」では、簡潔なスタイルのひな型を2ページにわたって掲載した。同書の意義や医療現場での普及の動きについても記している。第3部は「家族の命の終わり方を考える」で、大事な人の最期に関して家族の迷いや悔いが少なくなるためにはどうしたらいいかを具体的につづっている。

 藤井さんは九州大教育学部卒。臨床心理士として長年、病院に勤務し、今は緩和ケア病棟でがん患者の心のケアに取り組んでいる。55歳から九州大大学院医学系学府にも通い、医療経営・管理学専攻(医療コミュニケーション学、修士課程)を修了している。

 藤井さんは「事前指示書に法的効力はないが、終末期の医療においては、本人の意思が尊重されるようになってきている。ある程度の年齢になったら事前指示書を書くということが、家族への思いやりとして定着すれば」とも話している。

 756円。全国の主要書店で販売中。問い合わせは発行元の西日本新聞社出版部=092(711)5523。


=2014/04/04付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ