ピンクのバッタ見~つけた、でもなぜ? 福岡でも目撃例

 「息子がピンク色のバッタを自宅の庭で見つけました。調べてみましたが、なぜピンク色なのか分かりません」。神奈川新聞の双方向報道「追う! マイ・カナガワ」(マイカナ)取材班に、小学3年生の保護者から疑問が寄せられた。時々発見されるピンク色や赤色のバッタは何なのか。専門家に聞いてみた。

 8月下旬、神奈川県茅ケ崎市に住む中なか邨むら康太さん(8)がピンク色のバッタを発見した。

 「庭の水道の所で見つけました。いつも見るバッタと違っていてびっくりした。聞いたことはあったけど見るのは初めて。かわいい。どうしてピンクなのか知りたい」とマイカナに感想を寄せてくれた。

 神奈川県立生命の星・地球博物館(小田原市)の苅部治紀主任学芸員(昆虫分類学)に写真を見せると、バッタは「クビキリギスの幼虫」と教えてくれた。ほかのバッタよりも触角や後ろ脚が長く、全体的に細長いのが特徴だ。

 通常は緑色というが、どうして赤やピンクになるのか?

 苅部さんは「体の特定の色素が欠如するために、起こる現象とされています。実物を見る機会は少ないですが、神奈川県内でも報告はあります」と解説する。

 神奈川新聞では2018、19年に横浜や藤沢でピンク色のバッタが発見されたことを報じている。今年は埼玉や福井でも、ピンク色のショウリョウバッタやマダラバッタが出たことがニュースになっている。

 九州でもこの夏、ピンク色のショウリョウバッタが長崎県佐世保市の九十九島ビジターセンターで公開された。このほか、西日本新聞「あなたの特命取材班」にも、福岡県におけるピンクのバッタの目撃例が投稿された。

 一方で、苅部さんは「狙って捕れるものではない」と強調する。では、幸運にも見つけることができたら、どうすればいいのか。

 苅部さんは「飼育して観察してもいいですが、昆虫飼育に慣れていないと世話は難しい。標本保存し、将来の研究に役立てられるかもしれないので、捕まえたら博物館に一報を」と呼び掛ける。

 康太さんのクビキリギスは透明のケースで観察した後、庭に逃がしてあげると元気に跳ねていったという。

100匹いたら1、2匹

 ピンク色のクビキリギスの繁殖に日本で初めて成功した千葉県立農業大学校の清水敏夫准教授にも取材してみた。

 清水さんによると、クビキリギスは緑と茶、ピンクの色素を持っているが、突然変異でピンク色が強く出ることがあるという。最新の研究では、ピンクに生まれても緑に変異する場合もあると分かってきたが、詳しいことはまだ解明されていない。

 「100匹いたら、1、2匹はピンクになる。色が目立つので、人間が見つける前にだいたい鳥が食べてしまう」と清水さん。鳥などに攻撃されて脚が欠損していることが多いという。

 「ピンクになる理由は分からないことが多い。ぜひ、身近な生き物を子どもたちが研究して、将来の昆虫学者が生まれてほしい」

 康太さん、どうですか?

(神奈川新聞・蓮見朱加)

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