「二つの危機」同時対策を

 温室効果ガスの排出や森林破壊といった人間の活動によって、地球は気候変動と生物多様性の喪失という「二つの危機」に直面している。こうした危機への対策はこれまで別々に取られてきたが、英国で開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、同時に対策を進めることが重要だと指摘する声が上がっている。

 「気候変動と生物多様性喪失の二つの問題は絡み合っており、分けて考えることに疑問を感じる」。6日、COP26の会場で双方の対策を話し合うイベントが開かれ、コロンビアの環境副大臣はこう強調した。

 森林破壊は森の生態系の消失を招くと同時に、二酸化炭素(CO2)の吸収源を減少させ、地球温暖化の進展に拍車を掛ける。そのため欧州連合(EU)欧州委員会の担当者は「森林を守らないと、各国が目指す温室効果ガス排出実質ゼロは達成できない」と話した。

 背景には、両者の浸透度が異なるとの事情がある。気候変動と関連するとみられる異常気象が世界で頻発するようになり、気候変動が注目される機会は多い。一方で、生物多様性は「気温上昇のような数値化が難しいため、あまり浸透していない」(環境省幹部)。

 だが今年6月、それぞれの問題に詳しい科学者組織が初めて共同で報告書を発表し「双方の変化は人間活動が引き起こしたもので、これらの変化の結果、自然や人の命が脅かされている」と指摘。気候変動対策と多様性保全は同時に進めるべきだとの流れが生まれた。

 気候変動がCOP26で議論されているのと同じように、多様性保全については来年4~5月、生物多様性条約第15回締約国会議が中国で開かれ、各国は新たな国際保全目標の合意を目指す。

 同条約のムレマ事務局長は10月、「生物多様性と気候変動は一緒に解決するか、それとも両方とも解決しないかのどちらかしかない」と話し、各国に対策強化を迫った。

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