日本脳炎ワクチン、全国的な供給不足の背景は?

 「小学4年の子どもに対する日本脳炎の予防接種で、小児科から『ワクチンの供給不足で予約を締め切った』と言われ、受けられそうにありません。いったい何が起きているのですか?」。岩手日報の双方向報道「特命記者 あなたの疑問、徹底解明!」に、岩手県矢巾町の40代女性から声が寄せられた。関係者によると、メーカーが製造を一時停止し供給不足を招いているという。状況を調べた。

 日本脳炎は日本脳炎ウイルスによる疾病で、蚊を介して感染。突然の高熱、頭痛、嘔吐(おうと)などを伴い、意識障害や麻痺(まひ)といった神経系の障害を引き起こす。近年の患者数は、西日本を中心に毎年10人前後となっている。

 日本脳炎ワクチンは、予防接種法に基づき、誰もが受けるべき定期接種に位置づけられている。標準的には幼児から13歳未満の子どもが対象で、計4回接種。費用は市町村が負担し、住民は原則無料で受けることができる。

 このワクチンが供給不足になっているのはなぜか。国内で製造している2社のうち1社、阪大微生物病研究会(ビケン、大阪府)によると、昨年夏、原液製造工程で微生物が発生する問題が起きたため、製造を一時中止。このため、全国的にワクチンが不足しているという。

 これに伴い、各医療機関では供給が安定するまでの間、1回目や2回目の接種を終えていない子どもらを優先。通常4回目の接種対象となる小学4年生は、ワクチン接種を待っている状況だ。

 ビケンに今後の見通しを聞いたところ、「12月ごろ本格的に供給を再開する予定」といい、来年以降は円滑に受けられそうだ。

 一方、日本脳炎ワクチン接種を巡っては、予防接種後に病気になったケースがあり、国として2005年度から09年度まで定期接種を見合わせていた時期があった。

 その後新たなワクチンが開発されて通常通り受けられるようになったが、規定の回数を受けられていない人には特例措置を適用し、20歳になるまでの間、無料で受けられるなどの対応が取られている。

 厚生労働省健康局健康課は「日本脳炎の予防接種を巡っては、特例対象者の対応などもあり、非常に複雑な状況になっている。具体的な接種時期など不明点は実施主体の市町村に相談してもらいたい」としている。(岩手日報)

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