介護タクシーの料金は? 保険適用運賃 各社で差 訪問介護サービス提供も

慣れた手つきで利用者の着替えを手伝う谷中美一さん 拡大

慣れた手つきで利用者の着替えを手伝う谷中美一さん

ドアが開くのに合わせて車体の下からステップが出てくる「UDタクシー」

 通常のセダン型ではないワンボックス型のタクシーを見かける機会が増えている。車椅子のまま乗り降りでき、寝台に寝たまま使える福祉車両のタクシーだ。高齢者や障害者の外出を助ける貴重な足として期待されるが、介護保険の適用の可否で料金に大きな差が出る。会社によって運賃の設定も異なる。転倒時の駆けつけなどの訪問介護を提供する社もあり、上手に使うポイントを紹介する。

 「はい、ゆっくり座りましょう」。運転手の谷中美一さん(39)が男性(78)の背中に手を回し、車椅子に座らせながら優しく語り掛けた。ホームヘルパー2級の資格を得て4年。183センチ、92キロの体と慣れた手つきに「本人も安心して任せている。本当に助かっています」と男性の妻(72)は頼もしげに見守る。

 いわゆる「介護タクシー」は、介護保険の移送サービスに伴う乗降介助を専門とするケースが多いが、谷中さんが所属する西日本自動車(福岡市中央区)は訪問介護も提供している。この男性も、通院先の送迎車に乗せるまでの着替えと玄関外への移動を支援する身体介護だ。利用者の負担は保険適用で1割の273円。利用料2730円は、メーター料金と同様に谷中さんの売り上げとして計算される。

 ☆ ☆ 

 資格を持つ女性運転手が食事や掃除などの生活支援もする。ベッドから落ちたときなどに連絡を受け、駆けつけて再び寝かせる支援も、保険契約をしていれば適用内となり、利用者にとって安心だ。

 介護タクシーを使う際、保険の対象となるのは、車椅子を押すなど乗り降りの介助に対する部分。要介護1以上の認定を受けた人が通院したりする場合に限って利用できる。居宅サービス計画を作ってくれるケアマネジャーを通して事前に予約しなければならない。

 利用者の負担は、介助料の1割108円と運賃(メーター料金)となる。西日本自動車は、運賃を670円以下で1割引き、それ以上は1・5割引きと定めており、運賃が1500円なら1275円+108円の1383円となる。

 保険を適用した際の運賃設定は社によって異なる。例えば日新交通(福岡市南区)は、送迎料200円を一律にもらう代わりに、運賃を最高千円割り引く。別の社は、5キロ未満の割安な基本料金を設定。距離に応じて加算し、通常の半額程度に抑えている。

 ☆ ☆ 

 保険が適用されない外出や転院は自費となる。これも社によって料金の設定は異なる。車椅子のまま乗り降りできるタイプは、メーター料金に介助料やヘルパー指名料を加える。西日本自動車の場合、加算額は1700円。1時間当たり5450円からという社もある。この会社は、車椅子でもセダン型に簡単な手助けで乗り降りできるなら、運賃+介助料500円という。

 寝台に横になったまま移動できる車は、介助料も含めて7千~8千円からだ。

 こうした福祉車両は少しずつ増えており、福岡県内では昨年3月現在、前年
度比24台増の429台。さらに新しいタイプの車も導入されつつある。

 谷中さんが介護タクシーとして運行している車は、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーと呼ばれる新車両で2年前に生まれた。車椅子用のスライド式スロープが後部ドアにあり、車内の天井が高い。左側ドアにはステップを備え、お年寄りや大きな荷物を持つ人などに使いやすい仕様となっている。小型タクシーと同じ料金で利用できる。


=2014/04/24付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ