性教育、まずは親が学ぼう 大人のための講座 福岡市で開催 夫婦の生活 見つめ直して

「子どもが質問してくるのは知的好奇心の一つ。チャンスだと思って聞いてほしい」とアドバイスする藤見さん。講座では性教育の本も紹介した 拡大

「子どもが質問してくるのは知的好奇心の一つ。チャンスだと思って聞いてほしい」とアドバイスする藤見さん。講座では性教育の本も紹介した

 ■新訳男女 語り合おう■ 
 親が自分の「性」を大切にすれば、子どもも自分の「性」を大切にする‐。こんな思いを基に「大人のための性教育講座」が9日、福岡市で開かれた。学校での現状、夫婦の問題…。参加者はさまざまなテーマについて考えた。

 「性教育を受けたことがありますか」。冒頭、講師の藤見里紗さん(37)=福岡市=が問い掛ける。「小学校の授業でビデオを見たくらい…」。そこで講義は学校での性教育の現状を考えることから始まった。

 藤見さんはバランスボールで産後の体をケアするNPO法人「マドレボニータ」でインストラクターを務める。講座は「学校の性教育が不十分な中、まずは親が学ぼう」と企画。この日は母親7人が参加した。

 その学校の現状については、月経や妊娠、出産など生殖の分野は教えても「射精など快楽を伴う性」は敬遠されがち。そこでは「性は本能で、教えるものじゃない」という男性側に目立つ意識も壁になっている‐と解説した。

 「大人のため」ならではの内容も。セックスレスで悩む夫婦が多いことを紹介し「産後は第一関門。夫婦はタッチング(触れる)とリスニング(聴く)が行き交う関係が理想です。会話をしながら自分たちの生活を大切にしてほしい」などとアドバイスした。

 なぜ、性教育に夫婦生活を盛り込んだのか。藤見さんは6年前まで中学・高校の体育教師だった。週2回、性教育の授業を受け持つ中で、知識は伝えたはずなのに、生徒からは避妊せずにセックスをしたという話がたびたび聞こえてきた。

 ある女子は「彼に『避妊具をつけて』とは言えなくて…」と打ち明けた。そうした子たちが育った家庭環境をたどっていくと「父親に逆らえない母親」のいるケースが目立ったという。

 「子どもは親の背中をよく見ている。両親が会話による問題解決をしなかったり、性を大切にしていなかったりすると、いざというときに親の言動に左右されるのでは」。そんな思いもあって大人対象の性教育の企画を温めてきた。

 こうした取り組みについて、長崎県内で性教育の授業に取り組んできた産婦人科医の安日泰子さんは「学校の性教育は教師の力量で差があり、意義がある」と評価。講座に参加した30代女性も「出産を経て夫婦の関係が変わってしまっていた。子どものためにも自分たちの性生活を意識したい」と話していた。

 講座は5月と6月にも開く予定で、藤見さんは「性について誰にも相談できず悩んでいる大人は男女ともに多い。特に男性は性を学ぶことに抵抗感があるけれど、妻との関係を良くするためにも気軽に参加して一緒に考えていけたら」と意気込んでいる。

 参加費3千円。問い合わせは藤見さんにメール(risafujimi@gmail.com)で。


=2014/04/26付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ