『柳原白蓮 西日本人物誌(20)』  井上洋子 著  (1500円+税)

 NHKの連続テレビ小説「花子とアン」のヒロイン、村岡花子(吉高由里子)の「腹心の友」として登場する葉山蓮子(仲間由紀恵)は、大正の美貌歌人と称された柳原白蓮がモデル。本書は、史実を基にして白蓮の生涯を記した評伝だ。

 伯爵令嬢という華やかな出自であると同時に、華族制度や家父長制に縛られて生きる宿命。しかし、2度目の結婚相手だった福岡県筑豊の炭鉱王伊藤伝右衛門に新聞紙上で公開絶縁状を突きつけ、7歳年下の社会運動家の宮崎龍介と駆け落ちした。本書は「白蓮事件」の実相に迫るとともに、幾重もの因習に縛られた女性が社会に向けて放った強烈な生きざまを、時々に詠んだ和歌を交えて記した。

 出奔後は、龍介と留学生や労働者を支援。愛息の戦死を乗り越え平和運動にも力を注いだ。筆者は福岡国際大学の名誉教授。「九州は彼女の人生道場。そして白蓮短歌の母胎であった」と著者は語る。

 《四六判・1500円+税》


=2014/05/18付 西日本新聞朝刊=

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