「ドカメン」「爆発」、焼き物…不思議な名前の踏切、由来は?

 「ドカメン踏切の名前の由来を知りたい」。熊本市の60代男性から熊本日日新聞の双方向報道「SNSこちら編集局」に手紙が届いた。全国の踏切の名前を調べている中で、どうにも由来が分からないものがあるらしい。踏切の場所はJR豊肥線の平成駅(熊本市中央区)の近くという。取材に乗り出した。

 ネットで「ドカメン」と検索すると、全国各地の大盛りラーメン店がヒットする。踏切名につながるようなヒントは見当たらない。

 現場を訪ねると「ドカメン」は漢字で「土化面」と書かれていた。JR九州熊本支社に問い合わせたところ「由来は不明」という。

 踏切ができたのは旧国鉄時代。踏切の名称決定の具体的な決まりや経緯をまとめた資料は全く残っていないそうだ。担当者は「踏切の名称は近くの地名が参考になった事例が多い」と説明する。

 近くの住民に話を聞くとぼんやりとルーツが見えてきた。以前、踏切近くで農業を営んでいた山下茂幸さん(87)の話では「ドカメン」は周辺の小字(こあざ)のようだ。

 一帯は、1980年代に土地区画整理事業が始まるまでは農地が広がり、20軒ほどの農家が米や麦、野菜を作っていたという。「『今日はドカメンの田んぼで作業ばしてくる』と、仲間がよう使うとりました」と山下さん。周辺の取材を続けたが、区画整理後に移り住んだ人が多く「ドカメン」の知名度は低かった。

 そこで小字名からアプローチすることに。『明治前期全国村名小字調査書』(内務省地理局編)で調べると、世安村(現在の熊本市中央区)の小字名に「土化免(トゲメン)」があった。「ドカメン」や「ドケメン」など呼び名はばらばらだが、『肥後国飽田郡・託麻郡小字一覧』(山田康弘編)や『向山郷土誌』(大塚正文編)など、複数の郷土誌に「土化免」が登場した。ただ、いずれも「免」で、どうやら踏切を設置する際に「面」に置き換わったようだ。

 では「土化免」という地名はどこから来たのか。熊本地名研究会の木﨑康弘会長によると、「免」は江戸時代、村が藩に納める年貢とは別に、村の取り分とした田畑に付いた名前という。県内では小字で残る程度だが、長崎県の一部では現在も住所の表記に「免」を用いていて、地名として定着しているという。ただ、「土化」は地域にゆかりがある呼称のようだが謎として残った。

 (熊本日日新聞・岡本遼)

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