西日本政経懇話会

福岡 456回 日中「最低の外交」 尖閣問題で宮本前大使

miyamotoyuuji_02.JPG 前駐中国大使の宮本雄二氏が12日、福岡市・天神の福岡国際ホールで開かれた西日本政経懇話会で講演し、沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた漁船衝突事件によって悪化した日中関係について「一つの案件で、両国の外交全体が身動きできなくなってしまうことがあってはならない。日中とも最低の外交をしている」と批判、首脳を含む高いレベルでの対話継続の重要性を強調した。

 宮本氏は中国政府の最優先課題は「社会の安定と経済成長という二つの国内問題」と指摘。格差に対する社会の不満も高まっており、「経済成長を維持しないと政府がもたない。また、成長に必要な資源・エネルギーがなくなる恐怖感が強い」と述べ、海洋権益確保が問題の背景にあるとの見方を示した。

 日中関係は防衛相会談が開かれるなど雪解けムードも出ているが、宮本氏は「これからも問題が起き続けるとの覚悟が必要」とした上で、「最大の問題は歴史問題。問題が起こるたびに個々に対応する『もぐらたたき外交』に進歩はない」と発言。両国が「戦略的互恵関係」を強化すると同時に、尖閣問題などの再発を防ぐ危機管理の制度化が必要と訴えた。

 宮本氏は福岡県太宰府市出身。2006年から今年8月まで駐中国大使を務めた。

=2010/10/13西日本新聞=

これまでの記事一覧