西日本政経懇話会

大牟田 447回 「TPP契機に"食を考える”」鈴木東大教授

suzukinobuhiro_02.JPG 西日本政経懇話会大牟田地区の11月例会が11日、大牟田市旭町のオームタガーデンホテルで開かれ、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏が「大丈夫か日本の食? 農産物の価格高騰と食料安全保障」と題して講演。日本が関係国と協議入りを決めた環太平洋連携協定(TPP)について、「日本の農業のためではなく、もう一度、自分の食料をどう確保するのか考えてほしい」と語った。講演要旨は以下の通り。

 TPPの議論は、農業たたきで「農業対国益、産業の利益」という論点に矮(わい)小(しょう)化されている。今後5年間で、日本の農業人口は23%減少し、高齢化が3歳進み、平均65歳になると、作る人がいなくなってしまう。日本は先進国では最低レベルの食料自給率4割。日本人と言いながら、その体は「アメリカ産」「中国産」にすでになっていることを意味する。

 生産額規模は1980年の48兆円から、2005年には74兆円に拡大しているが、農家の取り分は12兆円から9兆円に減少している。これは、買いたたきが要因。下がり続けると、戸別補償制度の財政負担も大きくなり、維持できなくなる。生産者を支え、自らの生活も守る意味で、高くても食べてもらえる持続可能な価格設定が必要で、それが強い農業だ。
 
=2010/11/12西日本新聞=

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