西日本政経懇話会

久留米 458回 「取り調べ可視化で検察改革を」元共同通信記者・魚住氏講演

 西日本政経懇話会の10月例会が12日、久留米市櫛原町であり、元共同通信記者でノンフィクション作家の魚住昭氏が「検察と政治」と題して講演した。要旨は次の通り。

 検察庁、なかでも特捜部は大きな疑獄事件を手がけることで政治的影響力を強めてきた。かつては政治介入は贈収賄などの悪質犯罪の場合だ―と高いハードルが設けられていたが、1990年代に入り、事件をやらねば無能呼ばわりされる、という上層部のプレッシャーも働きハードルがどんどん下がった。

 同時に捜査が荒っぽくなり、捜査能力も低下。暴力的取り調べが頻繁に起きた。密室の取り調べの中で、調書のでっちあげや証拠隠しが常態化する事態になっていた。

 そして小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」の事件に至る。元秘書の石川知裕衆院議員や、(献金したとされる)水谷建設側も取材したが、結論から先に言うと検察のストーリーはデタラメ。しかし石川氏ら元秘書3人を有罪にした判決はありもしない話を認めた。びっくりした。

 なぜ裁判所が検察庁のミスをカバーするのか。それは人事。高裁長官や最高裁判事の人事案を上げる法務官僚の主要ポストは検事が占めているのが実態だ。裁判所が検察庁に追随する体制を変えなければならない。その前に、検察庁の取り調べの実態をオープンにしなくてはならない。捜査の可視化が検察庁改革につながると思う。

=2011/10/13 西日本新聞=

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