西日本政経懇話会

久留米 464回 「農業とTPP、両立可能」 丸紅経済研究所長・美甘氏が講演

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 西日本政経懇話会の4月例会が17日、久留米市櫛原町であり、丸紅経済研究所所長の美甘(みかも)哲秀氏が「世界の穀物市況と商社の穀物ビジネス」と題し、日本の農業の現状や将来展望について講演した。要旨は次の通り。


 日本の食料自給率はカロリーベースで4割。諸外国に比べると低いが、自給率はカロリーベースだけではない。例えば食料に100円払ったとして何円分が国産か、という「生産額ベース」で言えば自給率7割。角度によって見方は変わる。


 今後の日本の農業を考える場合、どう保護していくかではなく、どうやったら日本の農業が強くなるか、もうかるようになるかを議論しなければいけない。環太平洋連携協定(TPP)だけの問題ではない。農業を一つの産業として見た場合、どう競争力を高めるかは避けられない課題だ。

 新潟県で米作と酪農を営む農家を訪ねた。牛の排せつ物を米の肥料にし、米を牛の飼料にする循環型経営。生乳の8割は農協、2割をアイスクリームにして小売りしていた。実は付加価値の高いアイスで収入の半分以上を稼いでいる。経営は3人でやっていて、数人はアルバイトだという。大規模化、複合化、経営の多角化は、いわば農家のリストラではあるが、1人当たりの生産高をいかに上げるかという発想も必要だろう。


 政府の補助金も、現在のようなばらまきではなく政策誘導の手段として使うべきだ。競争力強化を目指せば農業とTPPの両立は可能だと思う。

=2012/04/18 西日本新聞=

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