西日本政経懇話会

久留米 465回 「北朝鮮は新興市場に」 元外務官僚、原田武夫氏講演

haradatakeo201205_01.JPG 西日本政経懇話会の5月例会が9日、久留米市のホテルであり、元外務省北東アジア課長補佐(北朝鮮班長)でシンクタンク代表の原田武夫氏が「ミサイル発射後の北朝鮮を探る―本当のプランは何か」と題して講演した。要旨は次の通り。

 「北朝鮮は崩壊する。その前に核兵器を拡散させるとんでもない国だ」と語られているが、全然違うと思う。北朝鮮は投資対象として有望なエマージングマーケット(新興市場)になる。それが「強盛大国の大門を開く」ということだ。
 例えば平壌ビジネススクール。運営はスイスの連邦開発省で、スポンサーはスイスの名だたる企業だ。ケチで知られる金融大国がなぜ投資するのか。もうかるからだ。羅津港には桟橋が三つあり、中国、ロシア、スイスに貸している。物流拠点として東のロッテルダムになるとも言われる。
 国際的な資金循環を見ると、欧州、米国は国家債務不履行のリスクが高まり、国債格付けが下がる。欧州からの貸しはがしで〝崩落〟を始める新興国や、戦争の可能性がある中東も投資対象にならない。実は世界中が日本を見ている。だから円が買われる。その日本に近いエマージングマーケットが北朝鮮だ。
 定期的にミサイルを発射するのは「最新型が出ました、買ってください」ということ。安価なミサイルを中東諸国に売るのが北朝鮮の重要なビジネスであり、結果的にミサイル防衛システムを売る米国の軍需産業浮揚にも協力している。
 北朝鮮が置かれている立ち位置を知っておかないと、日本も方向を誤ることになりかねない。

=2012/05/10 西日本新聞=

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