西日本政経懇話会

大牟田 464回 「「TPPよりFTA」 「政府は国益考えた行動を」 東大大学院・鈴木教授が講演

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 西日本政経懇話会大牟田支部の5月例会が17日、大牟田市旭町のオームタガーデンホテルであり、東京大学大学院の鈴木宣弘教授=農業経済学=が「TPPと国益」と題して講演した。要旨は次の通り。

 太平洋周辺の国々の間で人、モノ、サービスの移動を自由化するTPP(環太平洋連携協定)をめぐる米国との交渉について、野田政権は「情報収集のための事前協議」としているが、実際は参加に向けた「実質的な事前交渉」が進んでいる。
 私はTPPに絶対反対だ。徹底的な規制緩和を進めるTPPは農業はもちろん、金融や医療など多くの分野にダメージを及ぼす恐れがある。与野党の国会議員の半数以上が反対し、47都道府県のうち、TPP賛成の知事が6人という現状がそれを物語っている。だが、政府は普天間基地問題などでこじれた米国との関係改善を図ろうと米国のご機嫌を取る姿勢で、交渉は米国主導になっている。
 例外規定を設けることのできるFTA(自由貿易協定)の方が国内総生産(GDP)の増加率が高いとの試算もある。日本が取るべきは、アジア経済の均衡ある発展だ。そのためにも、中国や韓国とのFTA締結を急ぐべきだ。政府には国益を考えた行動が求められている。

=2012/05/18 西日本新聞=

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