西日本政経懇話会

久留米470回 尖閣問題「抑止と対話で」/京産大世界問題研究所長・東郷和彦氏が講演

2012.11.12tougou-kazuhiko.JPG 西日本政経懇話会の11月例会が12日、久留米市櫛原町であり、外務省元条約局長で京都産業大学世界問題研究所長の東郷和彦氏が「日本の領土問題~尖閣・竹島・北方領土」と題して講演した。要旨は次の通り。

 尖閣問題は私が予想した中でも最悪の状況にある。対応を誤れば、日本と中国は戦争になりかねない。野田政権が決めた尖閣諸島の国有化は、事態をコントロールするためであって挑発ではない。中国の対日政策責任者たちからは、仮に国有化しても「入らない、建物を造らない、調査を行わない」の3条件を守れば、立場上反対声明を出しても本当に拳を挙げることはないとの意向も示されていたという。しかし、現在のような状況になってしまった。

 今後は抑止と対話だ。力を持たなくてはいけないのは海上保安庁。海保の実力で(中国公船の侵入を)阻止できる力を持たねばならない。戦争を起こさせないための強化。バランスを崩さず、抑止と対話をやることが喫緊の課題だ。

 竹島問題には、従軍慰安婦問題が密接に絡む。注意しないといけないのは、欧米先進国にとってジェンダー問題や人道に対する罪というのは大問題。慰安婦問題はナチスのホロコーストと同じ定義に入る。この問題が本当に火を噴けば、相手は韓国だけでなく欧米ともなり得る。国際社会と国内との温度差を知っておくべきだ。最後に北方領土問題。プーチン大統領ほど、この問題を解決させようという大統領はもう出てこないだろう。プーチンが開いた窓を生かせなければ、将来、北方領土問題は完全に動かなくなる。

=2012/11/13 西日本新聞=

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