西日本政経懇話会

久留米472回 「政治と経済、複線軌道で」/「中国の現状」 興梠一郎氏が講演

2013.1.29kourogi-ichiro.jpg 西日本政経懇話会の1月例会が29日、久留米市であり、神田外語大教授の興梠一郎氏が「巨大国家・中国の現状と課題を探る」と題して講演した。要旨は次の通り。

 インターネットが中国社会に変化をもたらし、民衆の声が大きくなっている。尖閣問題に端を発した反日デモは、実は社会の矛盾が噴き出た事件だ。西安で日本車に乗った中国人が殴られた事件があったが、殴った男は農村からの出稼ぎ。外車を乗り回す人間がいる一方、底辺の人々は何年働いても買えるものではない。反日というより階級分裂、格差拡大への不満が爆発したものだった。

 「点」の報道を見ると、あたかも反日デモが全体で起きているように見えるが、普段と同じようにビジネスを続けていた業界もある。想像力を働かせ、「面」で捉える必要がある。

 中国は国内総生産(GDP)で日本を抜いて2位になったが、1人当たりの国民総所得で見ると114位で、ジャマイカの下。二面性がある。成長率も下がり始め、社会不安が高まっている。反日デモの背景には経済の減速がある。

 こうした背景から考えると、今年は日中関係は改善すると思う。中国は台所事情が厳しく、日本からの投資が減ると失業者が大量に出る。経済面から見てそろそろ互いに歩み寄るのではないか。政治と経済を混線させず、複線軌道で臨む大人の対応が必要だ。

=2013/01/30 西日本新聞=

これまでの記事一覧