西日本政経懇話会

久留米473回 「成長収束、人口減を前提に/経済政策は冷静な議論必要」/慶応大・中島隆信教授が講演

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 西日本政経懇話会の2月例会が4日、久留米市櫛原町であり、慶応大学商学部教授の中島隆信氏が「日本経済はどこへ行くのか」と題して講演した。要旨は次の通り。

 経済成長に収束は避けられない。なおかつ日本の人口減は確実。これを前提に経済の行く末を考えなければならない。

 社会の「縮小」はすでに始まっている。新聞発行部数はここ10年、年平均で1%減。スポーツの観客動員数を見ると、直近の3年間でプロ野球が年平均1・5%減、サッカー2・8%減。大学も将来の人口減を踏まえた場合、偏差値を維持すると学生数は4割減。定員を維持するなら学力レベルを下げざるを得ない。東大の9月入学実施は優秀な学生を海外から呼び込むため。早稲田大は学部生2割減、教員2割増を打ち出した。慶応大の新しい小学校は「青田買い」。人口減にどう対応するか苦心している。

 これまでの競争政策の問題点は①日本で勝っても世界で負ける「ガラパゴス化」②縮小市場での実りなき競争③東京一極集中の弊害―にある。出生率が最も低い東京に若い世代が集中し、市場の縮小を覆い隠している。

 企業の地方分散で格差是正と人口増を実現し、何を守るために何を変えるべきかを明確にしなければならない。成長も見込めないのにやみくもに規制緩和して競争を取り入れても意味はない。経済政策を選挙の争点にし、○か×かで判断するのは危険。冷静に議論していくべきものだ。

=2013/2/5 西日本新聞=

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