西日本政経懇話会

大牟田 476回 「制裁一辺倒、見直すとき」/北朝鮮政策、礒崎敦仁が講演

20130617isozaki-atsuhito.jpg 西日本政経懇話会大牟田支部の6月例会が17日、大牟田市のオームタガーデンホテルであり、慶応義塾大学専任講師の礒崎敦仁氏(38)が「北朝鮮のいま、これから」と題して講演した。要旨は次の通り。

 北朝鮮は世界から孤立していると言われるが、そうではない。なぜなら、162もの国と国交があるからだ。日本はこの4年間、経済制裁で北朝鮮との貿易量はゼロだが、北朝鮮と中国の貿易量は昨年、過去最高に達した。「経済が相当厳しい」などと言われるが、現状を冷静に分析すれば北朝鮮の経済はよくなっている。

 崩壊は「時間の問題」と言う人がいるが、これも適切ではない。金正恩氏は党、国家、軍を完全に掌握し、市民革命やクーデターの動きを封殺している。韓国の世論調査では「今すぐ統一を望む」という国民はわずか1割。北朝鮮が崩壊すれば、難民対策で最も困るのは中国。だから経済協力を続けている。北朝鮮の崩壊を望む国はない。

 日本人の北朝鮮に対する最大の関心はこの10年間変わらない。言うまでもなく拉致問題だ。拉致は犯罪であり、その実行犯を懲らしめるのは当然だ。しかし、制裁一辺倒では事態が動かないこともこの10年余りの間にはっきりした。安倍晋三内閣は今こそ従来の手法を見直し、対話による解決を模索すべきだ。

=2013/06/18 西日本新聞=

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