西日本政経懇話会

福岡 489回 「尖閣、棚上げ論が有効」 東アジア重視へ転換訴え/孫崎享氏が講演

20131008magosaki_ukeru.jpg 西日本政経懇話会の10月例会が8日、福岡市・天神の福岡国際ホールであり、ベストセラー「戦後史の正体 1945―2012」の著者として知られる元外務省国際情報局長、孫崎享氏が「尖閣諸島を含む東アジアの安全保障」と題して講演した。

 孫崎氏は、沖縄県・尖閣諸島の領有権問題について、元外務次官らの証言を紹介しながら「1972年の日中国交正常化の際、両国の首脳間で『棚上げ』するという暗黙の了解ができた。78年に中国の最高実力者だった鄧小平氏が来日した際にも再確認された」と指摘。棚上げ合意が紛争を防止し、沈静化する有効な手段との認識を示した。

 その上で「領土問題は得るものと失うもの、そのバランスを考えるべきだ」と指摘。すでに日本の最大の輸出先は米国ではなく中国をはじめとした東アジアであることに言及し「米国と一体であれば繁栄する時代は終わった。領土問題で危機をあおる人がいるが、真剣に考えれば失うものが大きい」と述べ、従来の対米関係重視から東アジア重視への転換を訴えた。


=2013/10/09 西日本新聞=

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