西日本政経懇話会

大牟田 482回  「国家の長期ビジョン示せ」/ 政治アナリスト・伊藤惇夫氏が講演

20140121itou-atsuo.jpg 西日本政経懇話会の1月例会が21日、大牟田市のホテルであり、政治アナリストの伊藤惇夫氏(65)が「安倍政権の課題と日本政治の行方」と題して講演した。要旨は次の通り。


 沖縄県名護市長選で米軍基地移設反対の現職が再選されたことは、安倍晋三政権にとって今年最初の誤算。辺野古の埋め立て問題は長期化が避けられず、日米関係に影響が出るだろう。

 今年前半の政策課題はTPP、消費増税、原発再稼働だ。米政府は3月末までにTPP交渉の決着を図る方針で、参加国の日本包囲網が強まっている。日本が関税維持を求めるコメや麦などの重要5項目について、譲歩せざるを得ない状況になるのではないか。

 安倍政権は民間企業に賃上げを求めているが、ベースアップに踏み込む企業は少ない。消費税率が引き上げられると、家計が厳しくなるサラリーマンは多い。そもそも、アベノミクスは原発再稼働が前提。2月9日投開票の東京都知事選で原発ゼロを訴える細川護熙元首相が勝てば、再稼働は先送りされ、アベノミクスにも大きなマイナス要因となるだろう。

 ただ、自公政権は当分の間、続くとみている。なぜならば、今ほど野党が非力な時代はかつてないからだ。安定政権だからこそ、安倍首相は、20~30年先を見据えた国家の長期ビジョンを示すときだ。 


=2014/01/22 西日本新聞=

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