西日本政経懇話会

久留米485回  「外交の歴史知るべき」/元外務省国際情報局長・孫崎享氏が講演

20140317magosaki_ukeru.jpg 西日本政経懇話会の3月例会が17日、久留米市であり、元外務省国際情報局長の孫崎享(うける)氏が「日本の安全保障と外交課題」と題して講演した。要旨は次の通り。

 外務省の2011年の資料によると、米国民に「東アジアで米国にとり最も重要な相手国」を聞いた調査で、10年に中国が日本を追い越した。これは外交に大きな影響を与えている。

 安倍晋三首相が靖国神社を参拝した直後に米国大使館が「落胆」を表明した。過去の首相参拝では何も言わなかったのに、なぜか。米国にとって、もはや東アジアで最も重要なのは中国。米国には、日本との関係で中国との関係を悪くしたくないという思いがある。

 尖閣諸島の領有権問題では1972年に日中が国交を回復した際、外務省で交渉の中心にいた2人が尖閣問題を棚上げしようという合意はあった、と言っている。しかし、日本政府は「固有の領土で国際的に何ら問題がない」という立場をとっている。

 尖閣で問題があれば、日米安保条約に基づいて米国が必ず出てくるのか。条約では、双方の管轄地が攻撃されたら行動の対象となるとしている。しかしもう一つ約束事があり、島々の防衛は日本が担当すると書いてある。だから最初は自衛隊が対処することになる。

 領土問題に関心を持っている人でも実は、日本が外国とどのような了解を結んできたか、必ずしも十分知らない。知るべき歴史的事実を知らずに、過去の約束をひっくり返すという状況に今、なってきているのではないか。


=2014/03/18 西日本新聞=

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