西日本政経懇話会

北九州484回 日米同盟「安泰」は思い込み、安倍政権にとって日米関係は「深刻」/元外務省局長の孫崎享氏が講演

20140318magosaki_ukeru.jpg 西日本政経懇話会の3月例会が18日、小倉北区のステーションホテル小倉であり、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が「日本の安全保障と外交課題」と題して講演した。要旨は次の通り。


 安倍政権にとって、最も深刻な問題は日米関係だ。2~3月、米各紙から一斉に批判を受け、政権が掲げる戦後レジーム(体制)からの脱却は「日米関係の脅威」とまで報じられている。しかし、米国で批判が高まっていることを、日本の大手マスコミは報じていない。

 次に日中関係。米国にとって東アジアで最も重要な貿易国はずっと日本だったが、2011年に中国と逆転した。中国からは毎年20万人以上が米国に留学し、(米中間は)人の交流も圧倒的に強い。「日本は、米国の同盟国であり、米国に大切にされる」というのは思い込みで、それは、安倍政権が米国で厳しい状況にあることでも分かる。

 昨年12月に安倍晋三首相が靖国神社に参拝し、その日のうちに米国政府は「失望した」という声明文を出した。オバマ政権は日本より中国を重視している。尖閣諸島問題は、もともと日中間で「棚上げ合意」されていたのに、その論理から、大きく外れてしまった。中国重視で米国が動いていることをよく認識した上で、私たちは今後の対応を決めていかなければならない。

=2014/03/20 西日本新聞=

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