西日本政経懇話会

大牟田 486回  「中国刺激せずロシアと対話を」安倍内閣と日本の外交課題/元外交官・東郷和彦氏が講演

20140414tougoukazuhiko.jpg 西日本政経懇話会の4月例会が14日、大牟田市のホテルであり、元外交官で京都産業大教授の東郷和彦氏(69)が「安倍内閣と日本の外交課題」と題して講演した。要旨は次の通り。


 安倍晋三内閣の喫緊の外交課題は尖閣問題だ。2012年9月、民主党政権が尖閣諸島を国有化して以来、毎週のように中国・海上保安庁の船がわが国の領海侵犯をしているが、安倍内閣は中国政府に「尖閣の領土問題は存在しない」としつつ、対話の扉を開く外交でうまく乗り切ってきた。

 だが、昨年12月、安倍首相が靖国参拝を強行し、日本の外交はめちゃくちゃになった。中国、韓国のみならず、最大の同盟国・米国までもがこの行動に「失望感」を表明したからだ。米国外交の基軸は今、中国との関係強化にある。靖国問題で不必要に中国を刺激すべきではないし、米国の不信感を払拭(ふっしょく)することが欠かせない。

 こうした中、ウクライナ問題で孤立化を深めるロシアとの関係強化が、日本の新たな道となるかもしれない。欧米とともにロシアを西側から排除すれば、ロシアは中国や核兵器開発を進めるイランと結びつく可能性がある。プーチン大統領との関係が良好な安倍首相は、ロシアを孤立化させずに対話を進めていくことが重要。それが、北方領土交渉の前進につながるかもしれない。


=2014/04/15 西日本新聞=

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