西日本政経懇話会

福岡 497回 「現代戦と宣伝」語る/京都大人文科学研究所長、教授・山室信一氏が講演

20140508yamamuro-shinichi.jpg 西日本政経懇話会の5月例会が28日、福岡市・天神の福岡国際ホールであり、京都大人文科学研究所長の山室信一教授が「世界大戦が生んだ現代戦―宣伝と消費そして文化」と題して講演した。


 山室教授は第1次世界大戦(1914~18年)のもたらした歴史的変化について「砲撃の到達距離が伸びるなど、兵器の発達で兵士と兵士の戦いから、国民全体を巻き込む戦争になった」と語り「国民の意識を戦争に向かわせるためのプロパガンダが発達し、思想戦・宣伝戦の時代に入った」と分析。中立だった米国の第1次大戦への参戦理由が、イラク戦争などでも使われた「民主主義のための戦争」だったことも説明した。

 集団的自衛権の行使に意欲的な安倍晋三首相が唱える「積極的平和主義」について「学問的には、戦争を起こす原因となる貧富の格差や麻薬、疫病をなくすことであり、首相の言うのは武力干渉主義だ」と話した。

 宣伝の技術が飛躍的に上がる現代において「『平和』『自由』『民主主義』といった言葉に戦争が入り込んでくることに、人々がどう抵抗できるのか問われている」と総括した。

=2014/05/29 西日本新聞=

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