西日本政経懇話会

久留米491回  グローバル化に限界/水野教授が講演

水野和夫/20140911久留米.jpg

 西日本政経懇話会の9月例会が11日、久留米市であり、日本大国際関係学部教授の水野和夫氏が「グローバル資本主義における日本の課題」の演題で講演した。要旨は次の通り。


 近代システムが機能不全に陥ったと考えている。近代システムは、何事も右肩上がりで成長するシステムだが、日本では預金金利はゼロになり、実質的な賃金は下がり続けている。成長力も取り戻せていない。

 しかし日本は、近代システムは盤石で補強すれば右肩上がりの経済はこれからも続くと考え、グローバル化が成長の決め手になるとしてアベノミクスなどを展開している。一方で、EUは近代システムは立て直しがうまくいかないと考え、EUという新しい枠組みを作る実験をしている。

 グローバル化でいろんな問題が解決できるといわれてきたが、最近、疑問を唱える人が増えてきた。グローバル化はアフリカにまで広がり、もう地球上で(新たな場所は)探せないし、自動車などに続く次の産業も見えてこないからだ。

 そうであればグローバル化ではなく、近代システムを超えるブロック化の実験を、EUと同様に日本もすべきだ。日本、中国、韓国が中心になり日本海から東シナ海までをまとめられるように、長期の視点で取り組むことが大事ではないか。


=2014/09/12 西日本新聞=

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