西日本政経懇話会

大牟田 493回  「企業の賃上げが鍵」/新保恵志教授、アベノミクスを展望

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 西日本政経懇話会の12月例会が11日、大牟田市であり、新保恵志・東海大教

養学部教授が「2015年の日本経済 アベノミクスへの評価と展望」の演題で講

演した。要旨は次の通り。


 14日投票の衆院選でアベノミクスが争点と言われている。成功するか失敗かの

分水嶺(ぶんすいれい)は、企業がどう対応するかにかかっている。アベノミクス

は「三本の矢」を掲げているが、成長戦略の矢が問題。お題目だけ並び、具体的施

策やタイムスケジュールがほとんどない。

 安倍政権の2年間で円安が進み、輸出企業を中心に株価が上がった。一方、実質

賃金は伸びていない。雇用は136万人増えたというが、非正規雇用が129万人

で、正社員は7万人しかいない。非正規社員の平均年収は、正社員に比べ低い。こ

の層の賃金を上げれば消費は増え、成長率アップにつながるだろう。

 来年の日本経済は、成長率1%程度内にとどまると予想する。アベノミクスが描

く目標を実現するのは難しい。鍵を握るのは、企業が社員の賃金を上昇させるかど

うか。内部留保で資金を眠らせるのではなく、社外取締役を増やすなど新陳代謝を

促す攻めの体質に改善することが求められる。


=2014/12/12 西日本新聞=

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