パートナーズクラブ

悠久の歴史と華麗な文化を展観・契丹特別鑑賞会/2011年10月4日

P1090022.JPG パートナーズクラブは、九州国立博物館が開催準備に6年かけたという「草原の王朝 契丹 美しき三人のプリンス」(9月27日―11月27日、九州国立博物館)の特別鑑賞会を10月4日に行い、参加した会員26人は中央アジアに築かれた契丹王国の歴史と華麗な文化に触れた。

 特別鑑賞ではまず、本展を担当する九州国立博物館の市元塁特別展室研究員が契丹の歴史や展示の見どころを解説した。

 市元さんは、約1000年前に、唐が滅びたあとのアジア諸国の混乱をまとめた契丹の初代皇帝阿保機が勢力を拡大。中央アジアからユーラシア東部にかけた広大な領地と高い経済力を誇る契丹国を建国した。英語でCathay(キャセイ)と呼ばれるなど世界ブランドであり、中国というよりユーラシアとしてとらえればその姿が見える、と契丹の歴史背景と強大な国力を説明。

 にも関わらず契丹が一般になじみのないのは、文献記録が少なく発掘も遅れためで、近年モンゴル地区の開発で多くの文物や貴重な資料が発掘され、注目されたと話した。

 通常3年程度の企画展の準備期間に、6年かかったのは①契丹の中心地内モンゴルは遠くて広い②奥が深い③相手関係者との信頼関係構築に時を要した④発掘品の修復に3年以上かけた―ためで、九州国立博物館の本展に取り組む熱意を述べた。

 展示の軸となるのは夭折した3人の王女。市元さんは18歳で死んだ陳国公主(ちんこくこうしゅ)は皇位継承者の縁者。夫に寄り添い眠っていた。トルキ山で見つかった王女は黒髪や歯の鑑定、副葬品から年齢は30代前半で、阿保義に近い皇族と推測される。亡骸を収めた色彩木棺は世界初公開、北魏や唐のものと同じ形で契丹とのつながりを示唆している。章聖皇太后(しょうせいこうたいごう)は1094年、白塔・釈迦仏舎利塔を建立。白塔と京都・平等院鳳凰堂を飾る鳳凰は姿形が似ており、平安文化に通じる華やかな文化が契丹にはあった、と解説。「契丹は一般になじみが薄いが、かつては栄華を極めアジア、ユーラシアに大きな影響を与えた」「大勢の人に契丹を知ってもらうために6年かけて本展を実現した」と、本展の意義をアピールした。

 こあと参加者は展示会場で、陳国公主が身に着けていた金仮や銀のブーツ、貴石を散りばめたトルキ山王女愛用の鏡箱や1000年以上も地下水に濡れながらも色あせなかった木棺など、世界初公開50件、一級文物45件を含む展示品128件を鑑賞。悠久の大地に眠る王女たちの遺品を熱心に見つめていた。時間と労をかけ、じっくりと取り組んだ本展は会場構成、展示品など目を見張る内容で、会員のエントリーサービス取締役真子太さんは「中国は身近な国、勉強になった。展示物も素晴らしく、休みの日にまた来たい」と感想を話した。

写真=トルキ山の王女を収めた色彩木棺・世界初公開

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