佐世保フォーラム

原田氏講演要旨 -企業成長に人材不可欠 知識より意識変える- 2012年8月18日

 佐世保市の経営者らでつくる「佐世保フォーラム」の例会が18日、同市で開かれ市出身で日本マクドナルド会長兼社長の原田泳幸氏が経営改革をテーマに講演した。

 赤字体質からの脱却と企業の成長に、人材の育成を強く訴えた。要旨を紹介する。

 日本マクドナルドは昨年、創立40周年を迎えた。

 現在の年間売上高は約5400億円。年間16億人が利用し、17万人のクルー(従業員)がいる。
 

 ハンバーガーは、ロボットが作るのではない。

クルーが手作りで一定のスピード、品質、味を保ち、日々、数百万個を提供している。人が会社の資産で、外食産業は徹底したピープルビジネス。

 その分、目に見えないノウハウはたくさんある。
 40年には五つのステージがあった。
創生、成長、低迷、回復、構造改革成長期だ。1971年、銀座に1号店がオープンし、それから20年かけて千店舗まで成長した。ところが、その後の10年でさらに3千店舗増やし、業績不振に陥った。

 
 人材が育つ前に店を作れば、質が落ちるのは当たり前だ。外食産業は人、立地、商品力。この順番を間違うと失敗する。

 このため、7年連続でマイナスになった。
 そして、2004年からは8年連続プラス。背景には経営改革がある。

 柱は、基本に戻ること、企業の「らしさ」を取り戻すこと、グローバリゼーションの視点と顧客価値の向上。

 この4点を軸に投資を伴う改革を進めた。投資なき改革はない。そのために経営資源の配分を選択し、集中した。
 社長就任時、徹底して取り組んだのがQSCの向上。

 品質、サービス、清潔さを意味するが、この年はQSC以外はやるなと全従業員に言った。

 基礎が終わった次の年から100円マックを売り出し、潜在的な顧客向けにエビ、サラダをメニューに加え、値上げ、24時間営業、新商品、地域別価格、携帯電話クーポンと次々に打ち出した。
 

 ポイントは優先順位の1番が永遠にQSCということ。成長すればするほど基礎の強化が重要で、投資も優先する。
 

 8年間の改革では100円マックなどで顧客の来店頻度を上げ、433店舗を閉めた。

 目先の売り上げを犠牲にし、将来の成長を加速するため、各店の売り上げを標準化した。

 また、フランチャイズ化の推進、積極的な女性登用などの人事制度改革を進め、経営は飛躍的に向上した。
 

 その中でも従業員には繰り返し私の経営の考え方を示している。基本、らしさ、スピードをはじめ「売った数字か、売れた数字か」「後継者をつくれ」などなど。

 要は知識ではなく、意識をどう変えるかが重要だ。
    

 

 ▼はらだ・えいこう 1948年生まれ、63歳。佐世保市出身。佐世保南高、東海大を卒業後、外資系企業などを経て、米電子機器大手アップル日本法人のマーケティング本部長、社長を歴任。2004年、日本マクドナルド社長に就任し、赤字体質だった同社を短期間で再建した。就任時は「マックからマックへ」と話題になった。

 

 

 

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