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【福岡】「猫の島」世界が注目 新宮町・相島 逃げない猫と濃密交流

漁具の上でくつろぐ猫。相島を象徴する光景になった
漁具の上でくつろぐ猫。相島を象徴する光景になった
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昼寝中の猫たち。カメラを近づけても逃げない
昼寝中の猫たち。カメラを近づけても逃げない
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胸に白いハート形の模様がある猫
胸に白いハート形の模様がある猫
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 世界から猫好きの人が訪れる「猫の島」が新宮町にある。福岡市・天神から1時間以内という近さ。「世界に知られる猫の島」なんて大げさな、と思いつつ行ってみると-。

 目的地は玄界灘に浮かぶ相島(あいのしま)。新宮港(相島渡船場)から町営渡船に乗ると、17分で着いた。下船の準備をしていると、女性たちが船のエンジン音にも負けない大声を上げた。

 「きゃー」「すごーい」「かわいいー」。そして、また「きゃー」。そんな大げさなと、心の中でつぶやきながら上陸すると、カメラを構えるのを忘れてしまうほど驚いた。

 船着き場に猫がいるわ、いるわ。その数20匹以上。カメラのレンズを向けても動じない。むしろ撮影者にすり寄ってくるので、スマートフォンでも簡単に撮れる。船を下りるなり、たくさんの人がシャッターを押し始めた。被写体を変え、何度も角度を変え、あっという間に撮影会の様相だ。

 「取材」も始まった。島民の高齢男性に7人が駆け寄った。テレビ番組の収録で相島を訪れた人気アイドルグループのメンバーが、体にハート形の模様がある猫を見つけたらしい。その猫を探していた。

 「あ、それならあっちの方にいつもいるから。一緒に行こうか」。男性は慣れた様子で先導した。

 「きゃ-」「いた-」。お目当ての猫は1匹で海を眺めていた。確かに、胸にハート形のような模様がある。相島は「愛の島」でもあるらしい。

 この猫も全く逃げない。写真を撮って興奮する人をよそに、平然と何度もポーズを変える。好みの写真が簡単に撮れるのも、相島の人気に拍車を掛けているようだ。

    ◇   ◇

 相島は周囲約6キロ。人口は10月末時点で267人。小学生5人、中学生8人、70歳以上が100人を超える。猫は100匹ほどいるといわれる。

 ブームの発信源は、実は米国だった。2013年にCNNが「世界五大猫スポット」の一つとして紹介して以来、新聞や雑誌、テレビの取材が相次ぐ。インターネットの投稿サイト人気の波に乗り、相島の猫の画像は世界に拡散した。

 渡船の利用者も増えた。13年度は9万9800人だったが、16年度は13万人を突破。猫への餌やり禁止や観光の看板は、英語や韓国語でも書かれている。

 10月には朗報が舞い込んだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に、江戸時代に朝鮮半島と日本を結んだ外交使節「朝鮮通信使」の資料が登録された。相島には通信使をもてなした客館の跡があり、訪れる人は一層増えそうだ。

 波止場は以前から釣りファンに人気がある。猫や釣りが苦手な人は漁港近くにある「島の駅あいのしま」がお薦め。取れたての魚、干物、塩うにや猫グッズを販売していて、食堂では刺し身定食や海鮮ちゃんぽんが楽しめる。2階のカフェで「おさかなバーガー」を手にくつろぐのもいい。あれもこれも食べたくて、渡船で2往復してしまった。

 島の駅で買った特産のかまぼこを手に、入り口のベンチに座ると、すぐに5匹の猫に囲まれた。いつの間にか背後にも3匹。膝の上にひょいと乗り、ごろごろとじゃれてきた。

 こんなにたくさんの猫に囲まれたことはない。こんなにもてたのも、人生で初めてだった。

 アクセス 西鉄新宮駅やJR福工大前駅から新宮港まで、コミュニティーバスで15~20分程度。新宮港-相島は町営渡船「しんぐう」が1日5往復(夏季は6往復)する。船体の安定性が高い双胴船で2階建て。1階は段差がなく、車いす利用者が使いやすい広いトイレや優先席もある。片道460円。新宮港には150台以上が利用できる有料駐車場がある。

=2017/11/14付 西日本新聞朝刊=

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