【熊本】ツバメの人気は“中古物件” 築21年、熊本市・上通のビル1階 今年も親鳥が子育て

ツバメの親鳥(左端)がトンボのような虫をくわえ、ひなたちへ餌を運んできた
ツバメの親鳥(左端)がトンボのような虫をくわえ、ひなたちへ餌を運んできた
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ツバメの巣が並ぶ駐車場。手前に二つある「中古物件」は人気だが、奥の「新築物件」用の梁(はり)は不人気で、作りかけの巣が白い壁面を点々と茶色く汚している
ツバメの巣が並ぶ駐車場。手前に二つある「中古物件」は人気だが、奥の「新築物件」用の梁(はり)は不人気で、作りかけの巣が白い壁面を点々と茶色く汚している
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黄色いくちばしを大きく開け、餌をほしがるひなツバメ
黄色いくちばしを大きく開け、餌をほしがるひなツバメ
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 ピピピピッ-。風を切るように、ツバメが目の前を横切った。30日、熊本市中央区城東町の上通並木坂。小さな黒い飛翔(ひしょう)体は、「カガワの自転車」本部ビル1階の駐車場に吸い込まれた。

 駐車場の天井の梁(はり)にツバメの巣はあった。ひな4匹が黄色いくちばしを大きく広げている。狭い空間を旋回した親鳥が、くわえたトンボを1匹のひなに口移しで与えた。

 同社専務の香川茂三さん(56)は「春先になると、ツバメのつがいが“物件”探しにやってくる。人気は中古物件です」と明かす。何世代にもわたり、親鳥が「リフォーム」しながら同じ巣を使い続けている。駐車場に3カ所ある巣のうち、人気は表通りの入り口に近い巣。時折、奥まった場所の梁で新しい巣作りを始めるツバメもいるが、結局は完成を待たず放置されるという。ツバメなりの好立地があるのかもしれない。

 「ツバメが巣作りをする家は縁起がいいらしい。職場のみんなで毎年、温かく子育てを見守っています」と香川さん。ビルは築21年。毎年3月末ごろ、決まって姿を見せるツバメが1羽も来ない年があった。2016年春、従業員らと首をひねっていると、間もなく熊本地震が発生したという。危険を察知するツバメの本能だったのだろうか-。

=2018/05/31付 西日本新聞朝刊=

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