【長崎】コウノトリ飛来相次ぐ 4年で3羽「自然が引き寄せ」 繁殖地になる可能性も

4年間ほど前から五島に居着くコウノトリ
4年間ほど前から五島に居着くコウノトリ
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韓国から五島に飛来したコウノトリ
韓国から五島に飛来したコウノトリ
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 日本と大陸を行き来する渡り鳥、コウノトリの飛来が五島市で相次いでいる。国内の野生種は農薬などが原因で絶滅しており、兵庫県などが人工飼育と放鳥に取り組んでいる。地元の愛鳥家らは「五島の自然豊かさがコウノトリを引き寄せている」と誇らしげだ。

 同市岐宿町では11月、韓国で生まれたコウノトリの生息が確認された。そこから数キロ離れた地区には4年ほど前から1羽が居着く。放鳥されたことを示す足輪がなく、大陸から飛来した野生種とみられる。3年前には福井県が放鳥した雄の1羽が同市玉之浦町に降り立った。

 コウノトリは国の特別天然記念物。保護繁殖に取り組む「兵庫県立コウノトリの郷公園」(兵庫県豊岡市)などによると、戦時中は食用として捕獲されたことや、農薬などによる環境汚染で国内の野生鳥は1971年に絶滅した。その後、海外から譲り受けて人工繁殖に成功、2005年に初めて放鳥し、約150羽が野生復帰を果たしている。

 ドジョウやカエル、昆虫などを食べるため田んぼや湿地帯に降り立つ傾向があるといい、公園がある豊岡市は市を挙げて無農薬や減農薬の水田普及に取り組む。

 同公園によると、人口が少なく自然に恵まれた五島は「降り立つのに適した場所」とされる。公園特別協力員の上田浩一さん(49)=五島市=は「野生復帰の計画が国際的に進む中、五島も繁殖地になる可能性がある。自治体も島民も、心の準備とさらなる環境意識の向上が必要」と話している。

=2018/12/11付 西日本新聞朝刊=

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