『忘れられた人類学者』  田中一彦 著  (忘羊社・2160円)

『忘れられた人類学者』  田中一彦 著  (忘羊社・2160円)
『忘れられた人類学者』  田中一彦 著  (忘羊社・2160円)
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 1935(昭和10)年、熊本県南部の須恵村(現あさぎり町)に米国人の家族がやってきた。夫は社会人類学者のジョン・エンブリー。日本語が得意な妻エラと共に1年間住み込み、農耕や親族など村と人々の姿を『日本の村 須恵村』にまとめる。同書は外国人による戦前唯一の日本農村研究書であり、ルース・ベネディクトの『菊と刀』や、連合国軍総司令部(GHQ)による戦後改革にも影響を与えた。元西日本新聞記者の著者は3年間、須恵に住み、夫妻の仕事を跡づけた。本書では夫妻の著作を紹介しながら、夫妻が着目し、かつては農耕から冠婚葬祭まで浸透していたムラの「協同(はじあい)」の精神にあらためて光を当てている。


=2017/05/07付 西日本新聞朝刊=

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